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 それが、冒頭の会合だ。石破氏は、居並ぶ経営者や投資家を前に、自らの銀行マン時代を振り返った後、こう話題を転じた。

「私はキャンディーズが好きなんですけど、最近はサザン(オールスターズ)が好きでね。サザンのチケットがセカンダリー(転売)で、どんどん値上がりしていくわけです」と歌手のライブチケット転売に言及。

キャンディーズでは「ミキ推し」

 そして「今の日本株が上がったり下がったりするのに一喜一憂しているのもそれと同じでね……」などと、摩訶不思議な経済理論を開陳したのだった。

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「石破って大丈夫なのか」出席者も心配した“摩訶不思議な経済理論”

 これには出席者も「石破って大丈夫なのか」と顔を見合わせたという。

 出席者が苦笑する。

「違法な転売で値上がりするチケット代と株価の乱高下は全くの無関係です。安全保障をはじめ政策通で知られる政治家なので、イシバノミクスのような経済政策を伺えるものかと期待していたら、肩透かしを食らいました」

 総裁選での課題は政策に限ったことではない。党内での不人気を克服できるかどうか。過去の総裁選でも物議を醸す出来事があったという。

「2018年総裁選で故・青木幹雄元官房長官が率いる参議院平成研の支援を受けました。そこで、会を代表する尾辻秀久さん(現・参議院議長)に推薦人代表と選対本部長に就任してもらった。総裁選が終われば普通はお礼の挨拶に行きますが、石破さんは会いにすら行かない。尾辻さんは、『アイツはお世話になりましたとか一言もない! ただの一度もだ。もう二度と応援しない』と激怒していた」(石破グループ関係者)

 こうした義理を欠く性格のため、次々と人が離れ、自身のグループは10人にも満たない状態に。今回の推薦人20人の確保も危ぶまれていた。

「さすがに反省したのか、今回、初めて自ら電話作戦を決行。『やっぱり辞ーめた! っていう人が出て来るんだよ』とボヤきながら、ようやく推薦人の目途がついたのです」(同前)

石破氏を直撃

 石破氏本人に話を聞いた。