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極端に強くなったり、弱くなったり

――野村克也監督時代ですね。森祇晶監督率いる西武とまさに激闘でした。

尾崎 当時の日本シリーズはデーゲームで、1993年のシリーズ第7戦は平日でした。学校の先生がテレビをつけて「今日の授業は特別にこれにする」と言ってクラスみんなで見たことを覚えています。授業が終わってもまだ試合が続いていて、下校途中に商店街の電気屋のテレビで見ていて、それでもまだ決着がつかない。

©文藝春秋

 それから走って家に帰ってテレビをつけて、日本一の瞬間を見たんです。高津(臣吾)現監督と古田(敦也)さんが抱き合った場面も強く印象に残っていますね。

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――最初の記憶は「強いスワローズ」なんですね。

尾崎 そうです。1995年も優勝して、まさに黄金時代と言われていた頃でした。でもそこから弱くなってしまって、より愛着が湧いてきたんです。極端に強くなったり、弱くなったりする。そういうところも魅力ですよね。

――神宮球場にも通っていたんですか?

尾崎 通っていました。ファンクラブに入っていて、10回観戦したら賞品がもらえるというのがあって。小学生の時、初めて10回を超えてドキドキしながら会員証を提出したら、賞品はボールペンでした(笑)。

――ヤクルトっぽいエピソードでもありますね。

尾崎 (笑)。四角い箱に入っていたのを覚えています。

――誰か特定の選手に熱中した時期というのはあるのでしょうか。

尾崎 小学生の時は飯田(哲也)さんを応援していました。

飯田哲也 ©文藝春秋

――玄人好みの小学生だったんですね。

尾崎 ずっとそうなんです。あとは助っ人外国人選手が好きで、(レックス・)ハドラ―とか。ミミズを食べるというエピソードもありましたね。

――そうなんですね。じゃあスワローズは音楽より先に夢中になったものでしょうか。

尾崎 そうですね。

――忘れられない試合はありますか?