自民党総裁選は石破茂氏が5回目のチャレンジで総裁になった。決選投票に石破氏と共に進出したのは高市早苗氏。高市氏は1回目の投票では国会議員票、地方票ともに石破氏を上回ったが、決選投票では21票差の僅差で石破氏に敗れた。

 世論調査や報道を見ている限りでは高市氏は一気に伸びてきたように見えたし、そのように解説されていた。しかし高市氏は本当に「途中から伸びた」のか? 実は最初から支持は高かったのではないか?

自民党総裁選を終え、あいさつする石破茂新総裁 ©時事通信社

 そうした仮説で考えてみるといくつか興味深い記事があった。まずは東スポだ。

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『高市早苗氏支える“選挙の神様”の票読み「石破さんよりは議員は掌握している」』(9月26日)

 投開票前日の記事だ。話しているのは選挙プランナーの藤川晋之助氏。「自身が支援する高市氏の勝利に自信を見せた」とある。藤川氏は東京都知事選で前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏の選挙参謀を務めた。

「『高市』と言うとバッシングが起きるから、みんな黙っている」

 石丸氏が2位となり“石丸現象”と言われたのは記憶に新しい。藤川氏は今回石丸氏の時と同様に大手コーヒーチェーン「ドトールコーヒー」の鳥羽博道名誉会長から「高市を頼む」と要請され、支援することになったという。

 藤川氏は高市氏の国会議員票について「高市さんは30って言われてるけど。『高市』と言うとバッシングが起きるから、みんな黙っている」と語る。そして「石破さんよりは議員は掌握していると私は読んでますけどね」。

©時事通信社

 私はこの部分を読んで2016年の米大統領選の際に言われた「隠れトランプ」を思い出した。表立っては言わないけれど投票になるとこっそりトランプに投票するというアレだ。今回は「隠れ高市」が多かったのだろうか。実際、1回目の議員票は72票で予想された数字よりもかなり高かった。

 高市氏は議員票だけでなく地方票も多かった。党員・党友票を伸ばした背景についてスポーツ報知は2点挙げている(9月28日)。