アメリカでは刺されないよう鎧のコスチュームを新調
日本中から本当に憎まれるようになった極悪同盟。会場でダンプたちが入場すると、観客は本気で怖がり、誰も近寄ってこないようになった。
「だから、入場する時に刺されたり、襲われたりする心配はなかったんだけど、困ったのはちょっと離れたところからモノを投げられること。トイレットペーパーとかならまだいいけど、一度、カップラーメンを投げつけられてね。麺がそのまま背中に入っちゃって、あれは気持ち悪かったね」
そんな事件から、極悪同盟のスタイルに変化が生じる。
「入場する時に大きな旗を背負うようにしていたでしょ? あれはじつをいうと、お客さんからモノをぶつけられても避けられるようにするためのガード用だった。憎まれれば憎まれるほど、モノを投げられるから旗の面積が大きくなっていく(笑)。
WWFに行った時(1986年に参戦)には鎧よろいのコスチュームを新調したんだけど、あれはアメリカでは刺されるかもしれない、という判断で会社がつくってくれたのね。和風な鎧だから違和感もないし。そういうお金は全部、会社が払ってくれた。消耗品の凶器……そう、竹刀なんかも全部、会社持ちだった」
入場時のコスチュームに関しては、こんな逸話もある。
「あの頃『積み木くずし』(TBS系)ってドラマが流行ったでしょ? まさにウチの妹があんな感じで、部屋が真っピンクだったのね(笑)。不良が着るような服もたくさんあったから、それをそのまま借りて、コスチュームにしていたこともあった。
当時の不良とかワルのお手本が身近にあったのは大きかったよね。なにかをマネしてコスチュームをつくったんじゃなくて、ホンモノをそのまま着ていたんだから、見ている人にも凄味は伝わったんじゃないかな?」