1000年前にも存在した“高度すぎるNTR夫”
悩める夫たちの証言が浮き彫りにしてくれたのは、パートナーを泣かせる推し活は長続きしないということです。「推しのために」という思いに駆られて人の痛みに鈍感になったり、過激な行為に走ればかならず破綻が迫ってきます。
しかしながら、夫によって心持ちもさまざま。
推しの年齢が妻と近いと生々しいとか、逆に離れているとまがまがしいとか、男性ウケがいいグループだから認めやすいとか、個々のとらえかたによっても気持ちは変わると思います。
私の体感になりますが、夫たちの多くは「まぁ、身の丈に合って人の道から外れなければいいんじゃない?」と大らかに見守ってくれているように見えます。
ジャニヲタ妻としては、夫への感謝も忘れずに、すがすがしい気持ちで推し活に臨みたいところです。
最後に、大河ドラマ「光る君へ」でも話題の「源氏物語」を原作としたマンガ「あさきゆめみし」に登場する“いにしえのジャニヲタ妻”と、それを応援するNTR夫の夫婦をご紹介します。
そのカップルは、少女のように光源氏にときめく老齢の女官・源典侍(げんのないしのすけ)と、彼女の長年の恋人・修理大夫(すりのかみ)。
光源氏は年の離れた典侍に恋されて辟易としますが、修理大夫はこうのろけます。
若いころからいつでも恋ばかり追っているおなごでございましてな
しようのないところもありますが
そこがまたかわいいところでもございましてな
かずかずの恋が典侍をいっそうみがき
また若々しくしていくのを見るのも
また 積年の恋人としての楽しみでもございます
(「あさきゆめみし」大和和紀著/講談社漫画文庫1巻より引用)
誰もがこの境地に辿り着くかはともかく、推し活にハマった女性のパートナーシップのひとつの形ではあると思います。
世界中のジャニヲタ妻とその夫たちに、円熟の幸あれと祈ります。