NHK『あさイチ』などで活躍するタレントの副島淳さんが、唯一無二のキャラクターを活かした活動ができるようになるまでの道のりは、平坦ではなかった。「見た目」の違いから小学生の時にはいじめに遭い、自殺を考えるほど追い詰められた。

 芸能活動を始めた後も、ステレオタイプな役を求められ、葛藤があったという。そんな副島さんは、「“逃げ”が今につながった」と話す。その真意を聞いた。(全2回の2回目/最初から読む

副島淳さん

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外国人が怖かったワケ

――英語が苦手というお話がありましたが、周りからは「英語が話せる人」と思われがちだそうで。

副島淳さん(以降、副島) 中学の英語の先生がネイティブの人だったんですけど、僕がわざと英語がわからないフリをしてふざけていると思ったらしく、怒られたことがあります。

 あと、大人になってからもしょっちゅう海外の観光客の方から「ヘーイ!」って声をかけられるんですけど、何も答えられないから申し訳ないっていつも思ってます。

――外国の方からなるべく話しかけられないようにしたり?

副島 英語が喋れないってこともあるんですけど、小学生のときに外国の人に誘拐されたことがあって、そのトラウマで最近まで外国の方が怖かったんですよ。

――どんなシチュエーションで事件が起きたのでしょうか。

トラウマとなった「誘拐事件」

副島 小学2年生くらいの時なんですけど、当時、母の再婚相手の人と反りが合わず、夏休みの時に家にいるのがしんどくなって、ちょいちょい家出するようになってたんです。そんな時、夜中の公園で二人組の外国人男性に声をかけられてついて行ったら、手足を縛られて監禁されてしまったという。

 

――どのようにその場から逃れたのでしょうか。

副島 たぶんお金目的の誘拐だったと思うんですけど、家は貧乏すぎて電話も止められている状態だったので、「家の番号を教えろ」と言われても、「つながらないよ」「嘘ついてんじゃねえ」という感じで押し問答になって。結局、コイツじゃお金にならないと思ったのか、12時間後くらいにそのまま解放してもらえたんです。

――今はさまざまなルーツの方とお仕事もされていますが、トラウマからの回復もあったのでしょうか。

副島 僕の事務所って外国ルーツの方が多く所属してるんですけど、そこでいろんな人と話していい方に巡り合ったことでやっと恐怖が和らいだ感じで。だから、それまでは本当に申し訳ないんですけど、街で外国の人に声をかけられても怖すぎて無視しちゃってたくらいでした。