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ヒップホップ好きとか“陽キャ”を期待されていたけれど…

――そもそも副島さんが芸能事務所に入ったきっかけは?

副島 バスケですね。中学の時、「怖い先輩やいじめっ子がいない」という消極的な理由で選んだのがバスケ部だったんです。

 その後、大学の時のヘッドコーチの知り合いに映画関係者がいて、「今作ってる映画で黒人と白人のバスケットボール選手の3on3のシーンがあるんだけど、出られる人いない?」と話がきて。そこにたまたま出演したのがきっかけですね。

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――はじめはそういった「黒人」役が多かった?

副島 いわゆるステレオタイプの“黒人”役が回ってくることが多かったです。オーディションとかで「ちょっとラッパーみたいな感じでやってみてよ」みたいな。

――ラップは得意だったのでしょうか。

副島 まったく。歌も下手だしソウルフルなんてこともないし、スポーツだって得意ってわけでもないです。

 でも、この見た目だから、ヒップホップ好きでしょとか、リズム感あるよねとか、“陽キャ”みたいなのを期待されるんですね。バスケとヒップホップカルチャーとのつながりで大学から聴いてはいましたけど、それまでは当時流行ってたGLAYとかB’zとか、J-POPばっかり聞いてましたし。

 

無理して“黒人”をするんじゃなくて、自分の道で

――実際の自分と全然違うものを求められる状態はキツくないですか。

副島 20代はずっと「“黒人”はそうあらねばならないのか……」とモヤモヤしましたし、葛藤がありましたね。

 オーディションに受かるために英語を頑張ったこともあるんです。でも、ネイティブの俳優さんに比べたらお話にならない。で、早々に英語を諦めたら、たまたま『パンク侍、斬られて候』という舞台で黒人の殿様役にキャスティングしてもらって。

 

 英語を求められるわけでもなく、カタコトの日本語でもなく、本当に普通の日本語で喋っていい役だったんですけど、それが自分でも面白いと感じたし、「これでいいんだ!」みたいな喜びもあって。英語からも逃げたってことですけど、無理して“黒人”をするんじゃなくて、自分の道で行こう、と思えたんですよね。