――逆に、コンサートとかフェスで舞台が見やすい、とかはありますか。
副島 あ、それはある。それはあるんですけど、俺の後ろの人は絶対舞台が見えなくなっちゃうから、あえて俺だけ皆と逆方向のリズムに乗るようにして、後ろの人が見えやすいように配慮したりして。
だから唯一、ライブとコンサートは見やすいけど、それも後ろに気を遣うことを考えると、プラマイで考えたら高身長はマイナス2ぐらいです(笑)。
中学時代からのスーパーヒーローがまさかの“異母兄弟”
――ご両親も身長が高かった?
副島 母も170cm近くあるので、大きい方ですよね。あと、会ったことはないけど、アメリカ人の父も大きかったみたいですし。
――副島さんが物心つく前にお父さんは蒸発してしまったそうですが、その後も接触はなく?
副島 「父と初対面」みたいなテレビの企画で調べてもらったんですけど、すでに亡くなってました。正直、亡くなっていて助かった、という気持ちもあって。
――「お父さんに会いたい」という気持ちもあったのでは。
副島 それがまったく。小さい時からいないのが当たり前だったので、父に対する感情もゼロっていうか、本当に興味がなかったんです。そんな状態で会ったところで何を話していいか分からないし、ハグするのもヤラセみたいで気持ち悪いなぁ、他人としか思えないしなぁ、というのが自然な気持ちでしたね。
ただ、亡くなっていることがわかって、これで番組も終わりかなと思ったら、父が別の日本人女性との間に子どもを作っていたことがわかったんです。しかもそれが、バスケの元日本代表選手・高橋マイケルさんだったんですよ。僕にとっては中学時代からのスーパーヒーローだったので、これには本当に驚きました。
――副島さんと高橋マイケルさんは異母兄弟という関係だったんですね。
自分のルーツはやっぱり蒲田、葛飾、浦安
副島 DNA鑑定をして、僕とマイケルさんの父親が同じであることが確定して。その時、号泣しちゃったんですよね。なんで涙が出たのかいまだにうまく説明できないんですけど、マイケルさんが父に抱っこされている写真なんかを見せてもらって、自分ももしかしたら父親と遊びたかったのかなぁ、とか。
それに、父は特撮なんかで活躍した俳優だったこともその時はじめて知りました。
――さらにお父さんや自分のルーツについて興味が湧くようになりましたか。
副島 でも、それもないんですよね。やっぱり自分は蒲田で生まれて葛飾で育って浦安が地元で、ということに変わりはないし、そこにしか自分のルーツはないっしょ、と思っているのかな。
ずっと日本で、母と祖母に育ててもらって、違うのは見た目だけ、という気持ちがあるんですよね。そこは頑固なのかもしれないです。
写真=杉山秀樹/文藝春秋