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「人が倒れてない?」昨年は交通事故の現場に遭遇して…

――ドラマではよく「医療関係者の方はいますか?」というシーンを見ますが、現実にあるとは……。

北村 人生で2度目だったんです。昨年も、交通事故の現場に遭遇したことがあって。研修医時代の同期とキャンピングカーで旅行中に、車道の真ん中で自転車に乗っていた方が倒れていたんです。みんな、医療従事者だったので「人が倒れてない?」と話し、停めた車から飛び出して、応急処置をしました。

 

――みなさんが医療従事者だと、現場でも冷静な判断ができそうです。

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北村 現場を判断する人が一番冷静でいなくてはならないと研修で学んでいたし、どちらの現場でも、常に冷静でいようとは心がけていましたね。救急の最前線で働かれている先生を見習って、特に、東京駅では医療従事者が私しかいなかったので、冷静さを保とうと強く意識していました。

まさか動画で撮影されていたとは…

――目の前に苦しんでいる人がいるとして。医療従事者でない一般の私たちに、できることはありますか?

北村 まず、周囲の安全を確保すること。私が初めて遭遇した現場のように、道路で誰かが倒れていたら、駆け寄った人も事故に巻き込まれる可能性があるので、近づいてよいのかを判断してほしいです。大丈夫であれば、肩をそっと叩き、手を握って「私が分かるなら、手を握り返してください」と声をかけて、握り返すかどうかで意識のあるなしを判断するのも1つの方法かと思います。人手が必要になる場面もあるので、大声で周囲の人にも協力を求めてほしいです。

――人命救助の一部が動画で撮影されていると、現場では気づいていましたか?

北村 まったく気づいてなかったです。最初はTikTokにメンション付きの動画が流れてきて「見たことのある人がいる……」と思ったんです(笑)。アイドルではなく医師として、現場では必死に対応していたのでビックリしました。

 

――メンションが付いていたということは、北村さんだと分かった方もいたんですね。

北村 たぶん、私のTikTokを元々知っている方だったと思うんです。アイドルとしてのファンの方であれば、認知できていたはずなんですけど、メンションを付けてくださった方のアカウントを見たら、知らない方でした。