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同時に、遊女に対する批評も辛辣になっていきます。「心悪しき」「面体悪しき」といった文言はもちろん、「どこやら人喰犬のようだ」(『吉原よぶこ鳥』万代)とか、「肥えて油がつき、豚の毛を毟ったよう」(『讃嘲記時之大鼓』しかの)なんて記述までみられます。
遊女の欠点を書くというのは、評判記としては当然のことでしょう。しかしそういった枠におさまらないような侮蔑的な悪口を吐いたり、ゴシップばかりを詳細に記すような評判記がどんどん増えていきました。
誰が書いていたのか?
確かに、ただ褒めるだけでは、読者は面白がらなかったかもしれません。他の作者に対する批判も、売るためのひとつの趣向だったのでしょう。その証拠に、自分が書いた評判記を別人の作のように偽って批判する、なんてこともされていました。でも、書かれる側の遊女にとってみれば、盛り上げるために悪口を書かれたり、擁護されたりと、たまったものではなかったでしょう。
それでは、遊女評判記は、どんな人によって書かれていたのでしょう。