1ページ目から読む
4/5ページ目

「ドライブする車じゃないです」

センパイ ですね。キャリィにETCが付いてなかったし。あと、高速乗っちゃうと、1日で着いちゃうんですよ。それじゃ、面白くないじゃないですか。やっぱり、道中いたるところで、いろいろないと。

 といいつつ、ぶっちゃけ最後のほうは高速に乗ってるんですけどね(笑)。静岡で泊まって、そこからフルで高速で帰りました。

わすこ 雪が降っちゃったんだよね。それもあっての高速で。

ADVERTISEMENT

ーー落札したキャリィは4速とのことですが、それだと高速を走るのは厳しい?

センパイ 3速よりはいいみたいな。でも、5速がないと厳しい。そりゃそうですよね。4速は、時速60キロぐらいで走ると一番燃費がいいですね。いずれにせよ、荷物を積む車で、ドライブするような車じゃないです。

自家用バスでインタビューを受けるわすことセンパイ ©松本輝一/文藝春秋

ーー時速100キロで走り続けると危険が。

センパイ バラバラになるとか爆発するとか、そっち系の危険はありそうだよね。

わすこ 音がね。スピードを出すと、機械音がちょっとヤバい。頑張っても、90キロぐらいがギリギリ?

センパイ 95キロくらいかな。

わすこ それでも、ずっと走り続けたらかわいそうかな。

センパイ 僕と同い年だしね。車としては、だいぶ高齢ですから。走ってると、風圧でミラーが畳まれちゃうんですよ。家帰って、速攻で替えましたけど。

ーーこれがバスだと、みんなが振り向くじゃないですか。軽トラだと、誰も振り向かないですよね。

センパイ 男女が軽トラ乗って、黙々と走ってるだけですからね。ただ、四国だと関東方面のナンバーがいないんでね。ナンバーを見た人は「え、どこ?」みたいな感じでした。

©松本輝一/文藝春秋

「え、嘘でしょ」っていう顔を撮れた瞬間が最高

ーーわすこさん、一般道での陸送って楽しめましたか。

わすこ いやぁ……マニュアルなんでねっていう。

センパイ 楽しかったでしょ。

わすこ もうちょっと、いろいろ寄りたかったかも。高知から四国を巡ると思ってたので、四国の旅行を少しはしたかったかな。カツオも食べず。一応、桂浜をチョロッと見たみたいな。

センパイ 僕、軽トラの引き取りのときにカツオを食べてて。

わすこ 軽トラの車中で「美味しかったんだよ」とか言ってて。

©松本輝一/文藝春秋

ーーセンパイさんは、楽しめました?

センパイ やっぱ達成感がすごくて、それまでもいろんな企画があったんですけど、事前にバレたりしてダメになったものがけっこうあったんで。なおさらでしたね。

 3ヶ月隠し通して、ほんとに四国に旅行するモード全開で高知に行って、あの「え、嘘でしょ」っていう顔を撮れた瞬間が最高でしたね。あとはもう、ルンルンで帰るだけという。