自民党がうごめいている。衆院選で過半数割れとなった与党の連携先は国民民主党か? 日本維新の会か?

 いや、何よりも先に「連立」しそうな集団がいた。派閥の政治資金問題で離党したり、非公認となって当選した人たちだ。いわば「新党裏金」と真っ先に連立するだろうと選挙前から予想していたのだがやはりニュースが飛び込んできた。

萩生田光一氏 ©時事通信社

見事な「裏金連立」である

『世耕弘成氏・萩生田光一氏ら6人、自民党会派入り決定…「政治とカネ」蒸し返す懸念も』(読売新聞オンライン10月30日)

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 見事な「裏金連立」である。裏金議員への非公認を経て、むしろ裏金議員の存在感が増すのだろうから、石破自民党のちぐはぐさが浮き彫りになる。溺れる者は裏金をもつかむ。

 さて、これだけ世の中の批判を集めながら選挙区で勝ち上がってきた候補者は地元ではどんな選挙戦をしていたのだろう。気になりませんか?

 私はそのうちの一人、萩生田光一氏の選挙戦に注目した。現場では何が話されていたのかをこの目で確かめたく、公示日から八王子に何度も入った。

「萩生田さんの演説です」「うわ、帰ろ帰ろ」

 第一声は八王子駅北口。 聴衆やメディアが集まり始めると「これから何かあるの?」と話しかけてきたおじさんがいた。「萩生田さんの演説です」と教えると「うわ、帰ろ帰ろ」と早足になる。

有権者との握手に応じる萩生田光一氏 ©時事通信社

 話を聞くと、「僕はね、自民党は好きだけど今回は5人衆にはケジメつけさせないと。地元にもそう思ってる人いると思うよ。でも仕事の関係とかで支持する人が多いんじゃない?」と言って去っていった。「地元」と「仕事」というワードが頭に残った。

 萩生田氏の応援には自民都議、市議、国会議員らが駆けつけていた。自民党都連会長は「萩生田候補が最大のピンチを迎えている」と訴える。商工会議所会頭は「萩生田さんによって教育、都市計画、経済が発展してきた。力のある衆院議員に戻ってもらわないと」と演説。

 そして遂に萩生田候補が登場。私の前に座っていた年配の女性5人ほどが一斉にスタンディングオベーションで迎えた。