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「いまの自分を見て。憧れで東京に行ってもうまくいかない」――元SKE48メンバー矢方美紀、乳がんを語る #3

矢方美紀インタビュー #3

2018/06/26

母は、私の東京行きを止めてくれた

──お母さんのアドバイスのおかげですね。

矢方 私の高校卒業のタイミングで、母は友達も知り合いもいない名古屋に、大分から引っ越してきてくれました。それもありがたかったですけど、一番感謝しているのは東京行きを止めてくれたことでしょうか。

 

──東京ですか?

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矢方 SKE48を卒業する時に、東京に行くことも少し考えたんです。でも母に「今のあなたは東京に行ってもダメ、自分を見て。憧れで東京に行ってもうまくいかない」と言われ、目が覚めました。それに、SKE48時代、たくさんの方たちと出会え、私を育ててくれた名古屋で恩返しをしたいという気持ちも大きかったので、名古屋で一緒に仕事をさせてもらった方たちとのご縁を大切にして名古屋で頑張りながら、ずっと思い描いていた声優に近づけるようになりたいと、気持ちを新たにしました。

どこにいてもちゃんと自分の存在を出せるように

──声優ではどんなジャンルをやりたい、など目標はありますか。

矢方 メインじゃなくても、「この役は矢方美紀」といわれるような人になりたいです。SKE48時代もセンターで目立つというよりは、後ろでみんなを引っ張るというタイプで、でもどこにいてもちゃんと自分の存在を出せるというのが自分の中で売りだったので、そんな声優になれたらいいな、と思います。

 まずは何を与えられても全力でチャレンジして、応援してくださる皆様に元気で頑張っている姿を見せていけたらと思っています。