人間はここまで残酷になれるのか…。1915年(大正4年)、岡山県に住む18歳女性が絞殺された上に、竹で串刺しにされた事件。犯人男はなぜ彼女を殺しただけでなく、遺体をもてあそんだのか? 彼女の友人にまで毒牙をかけたのか? 事件の顛末を、新刊『戦前の日本で起きた35の怖い事件』(鉄人社)より一部抜粋してお届けする。(全2回の2回目/最初から読む)
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陰部に竹を突き刺したうえさらに…
その日の夕方、春子が妹をおぶって家の前にいたところ、銭湯帰りの信二に出会いしばらく立ち話をした後、家に入ると、まもなく信二が向かった先から悲鳴が聞こえたという。
驚き、妹をおぶったまま悲鳴の聞こえた場所に向かったところ、積み藁の近くで信二がテルの首を絞めていたそうだ。どうやら信二はテルに好意を持っていたが相手にされず、つきまといなど今で言うストーカー行為を働いた挙げ句、犯行に及んだらしい。
すでにぐったりしていたテルを見て春子は思わず引き返そうとした。しかし、信二はそれを許さない。現場を目撃した以上、おまえも一緒にバラしてやると凄んできたのだ。
命乞いをする春子に信二は服従を誓わせたうえで「テルの両足を持ち上げろ」と命令。言われるままに従うと、信二が竹をテルの陰部に深々と突き刺し、その後、遺体を積み藁の下に引きずって隠すのも手伝わされた。