ユニクロに関する著作で裁判、取材拒否に遭い、それならばと新宿のビックロなどユニクロの3店舗で勤務し、潜入ルポを発表したジャーナリスト・横田増生氏。かたや大学新卒でユニクロに入社し、退社するまでの経緯をYou Tubeで実名で公表している松本涼氏。異色の2人が、内側から見たユニクロの“リアル”を語り尽くす。

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横田 僕は毎日、ユニクロサーチをやってるんです。

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松本 そうなんですか(笑)。

横田 GoogleやYahoo!やYouTubeで、「ユニクロ」「ヤマト」「佐川」などという企業名を日々検索していて、あるときYouTubeで松本さんの動画を発見したんです。僕はこれまでユニクロについて2冊の本(『ユニクロ潜入一年』『ユニクロ帝国の光と影』)を書いていますが、元ユニクロの社員で実名と顔を出して発信している人は松本さんが初めてだと思います。他にはまったくいません。

松本 まったく?

松本涼さん ©松本輝一/文藝春秋

横田 私の知る限りゼロです。ユニクロの元社員や現役社員を大勢知っていますが、みんな名前は出さないし、身元が分からないよう話を少しぼかしてほしいと言います。ところが松本さんは、堂々と「僕がユニクロを辞めた理由」「ユニクロとはこんな企業」などとしゃべっていたので驚きました。そしたら今年の3月、僕の『ユニクロ潜入一年』を紹介する動画を上げてくれて(https://www.youtube.com/watch?v=ctjcxDoWyQ0&t=180s)、「元ユニクロの社員から見てもリアルな本ですね」とかおっしゃってた。それで、僕が連絡してみたわけです。

松本 そんなにみんな実名でしゃべってないんですか。僕、ちょっと怖くなってきたんですけど(笑)。

横田増生さん ©松本輝一/文藝春秋