昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

元社員が実名で語る「ぼくがユニクロを辞めた理由」

潜入ジャーナリスト・横田増生×YouTuber・松本涼 対談#1

バイトにまで守秘義務契約を求める

横田 本にも書きましたが、バイトであってもユニクロで働くときには守秘義務契約にサインさせられるので、辞めた後も何も話してはいけないと思っている人が多いんです。ですが、ぜんぜん大丈夫と僕は考えています。何も生産計画とか出店計画とか、発売前の商品についてとか、漏れたらダメージになるような企業秘密を明かそうというわけじゃない。自分がどんなふうに働いていたか、労働環境はどうだったか、どう感じたかなんて、守秘義務にあたらないですよ。松本さんもネットで発信されていて、ユニクロから何か言われたことはないんじゃないですか。

松本 ないです。何か言われたこともないし、許可を取ったこともない。ユニクロとは退職後、一切やり取りはないです。

横田 そうですよね。大丈夫ですよ、全国のユニクロOBや現役社員の皆さん(笑)。 そもそも松本さんは、どうしてユニクロに入社されたんですか。

©松本輝一/文藝春秋

内定者バイト時代は自主的に学んだが

松本 上智大学外国語学部のロシア語学科を出て、新卒でユニクロに入社しました。広告会社や商社に入りたいと思っていましたが就活がダメで、ユニクロは第3~第4志望だったんです。もともと洋服が好きでユニクロの服も好き、ユニクロとGUを受けてみたら、両方に受かった。それで、もしかして自分はファーストリテイリングに向いているのかもしれないと思ったんですね。8月に内定をもらい、9月から内定者アルバイトに入りました。4カ月くらいアルバイトしました。

横田 9月から年末年始にかけてって、ちょうど最繁忙期ですね。会社にバイトしろって言われたんですか。

松本 強制されたわけではないんですが、「やっておいたほうがいいよ」という感じでしたね。入社前に繁忙期を経験していると、いい経験になるということで。

©松本輝一/文藝春秋

横田 そこは11月の創業感謝祭や1月の年明けのセールがあって、年間でユニクロが一番忙しい時期です。300人くらいの内定者が働いてくれれば、ユニクロとしてはありがたいですよね。

松本 実は僕が内定者アルバイトをしていたのは新宿の某店です。

横田 おお! 僕はビックロに潜入していたのでお隣ですね。

松本 そうなんです。僕がいたのは前の年ですけれど。僕は内定者アルバイトのときはけっこう頑張っていたんです。自主的に学ぶ姿勢で、そのうちミシン補正もやらせてもらえました。

横田 それはすごいですね。普通は活気出し(声出し)からレジを打って、フィッティングルームに行って、それから補正ですから、早くとも2~3年くらいかかりますよね。

松本 意欲を認められたところがあったようです。で、入社してから最初は兵庫県の大型店に配属されたんですが、そこで間もなく調子がよくなくなってきました。