中川さんがお世話をした保育園の子どもたちは、大勢、成長して巣立っていきました。お会いする度に、「あの子はこんなに立派になったのよ」と愛おしそうに話してくださいました。今や大人になった「子どもたち」からは、中川さんにはいつも沢山の手紙が届いているのでした。
『本・子ども・絵本』は、「本は子どもに人生への希望と自信を与える」と信じる中川さんが、子どもたちへの向き合い方などのアドバイスや、子ども時代の半自伝的な思い出などを綴りながら、信頼する絵本や児童書を紹介したエッセイです。
「なにしろ子どもは親の悪口は、絶対に言いません。もう本当に大好きなんですよ」という、子どもをつぶさに見てきた保育士・中川さんの本の中の言葉に、どれだけ子育て中の私も励まされたか分かりません。
長年の絵本創作に携わってこられた中川李枝子さんに、謹んで哀悼の意を表します。
これからも、中川さんの絵本や著作物が、多くの読者の手に届きますように。
★『本・子ども・絵本』(中川李枝子著)
中川さんが信頼を寄せる絵本や児童書の紹介、子どもとの向き合い方を綴った自叙伝的エッセイ。子どもと関わるすべての方に読んでほしい本。
★『アンネの童話 新装版』(アンネ・フランク著 中川李枝子訳)
アンネが隠れ家で綴った、みずみずしい物語とエッセイ集。中川さんの名訳が光ります。文庫オリジナルの絵は酒井駒子さん(カバーと本文挿絵)、解説は小川洋子さん。
★『未来のだるまちゃんへ』(かこさとし著)
著者の絵本作家となる原点を綴った初の自叙伝。
本書解説で、かこさとしさんとのとっておきの秘話を中川さんが綴られています。