小中学校の同級生から「見たよ」と…
きっかけは野崎が怪死する前、ある法律事務所から田辺市の野崎氏の会社に届いた須藤宛の書類だった。
「私が出演したAVの削除を依頼した関係の書類です。社長と知り合う前に出演したAVでした。無料サイトで公開され、誰でも見られる状態になっていました。それを知ったのは4月13日頃、私のインスタグラムのDM(ダイレクトメール)に、小中学校の同級生の男の子から『見たよ』という言葉と、AVのURL、画像が送られてきたことからです」(須藤の証言内容より)
検察側は初公判の冒頭陳述で、2016年春に北海道札幌市から上京した須藤が、翌年8月と9月に計4本のアダルトビデオに出演していた事実を、撮影日や報酬総額も含めて詳らかにしている(#2)。
「その同級生の男の子は、めっちゃ口の軽い奴なんで、周りにバレるだろうなと思いました。面倒なので、弁護士さんに頼んで、そのURLを消してもらおうと思いました。弁護士さんはネットで『AV 削除』と検索をして探しました。一番上に出てきたところが信用できそうだったので、依頼することにしました」(同前)
ところが、その関連書類は、田辺市の自宅ではなく、野崎氏が経営している会社に届いた。野崎氏は、自宅宛の郵便物が会社に配達されるようにしていたという。
「書類は、開封された状態で、会社の人から受け取りました。AVとは書かれていなかったですが、動画の削除に関する内容でした。でも、AV出演がバレることは、特に気にしていませんでした。
その後、(野崎宅の)家政婦さんからこう言われました。ある従業員の子が『従業員の男が会社であなたのAVを見てたわよ』と。私は『ああ、そうなんですね』と言いました。別に彼女には口止めをしませんでしたし、会社の従業員にバレたとしても、知らない人たちなので、どうでもいいです」(同前)