「新しい地図」に稲垣が合流して驚かされた
1990年代から稲垣吾郎さんとお付き合いを続けてきて、いちばん驚かされたことといえば、SMAPが解散したあとの身の振り方です。
解散後、草彅剛さんと香取慎吾さんが、マネージャーだった飯島三智さんとともに行動し、「新しい地図」の名のもとに進むことになるのは、まだ想定内でした。ふたりは「しんつよ」との愛称で呼ばれるほど親密で、コンビのようなところがありましたから。
そこに稲垣さんも合流するというのは、すこし意外でした。新しい地図としてイチから活動を始めるというのは、当時の芸能界において、相当の茨の道になるのはわかりきっていました。それなのに、稲垣さんは決断した。これはかつての逮捕事件の経験があったからじゃないかと思います。あのときは飯島さんが奔走し、なんとか復帰の道をつくり上げてくれた。その感謝を忘れていないからこその、解散後の決断だったのではないかと考えています。
稲垣さんが合流して、草彅さんと香取さんもさぞ心強かったでしょう。2人でやるか3人で活動するかでは、かなり印象も違います。3人だとグループ感が出て、大きなうねりを起こせそうな雰囲気が醸し出されることとなりました。
新しい地図は2017年、AbemaTVで「72時間ホンネテレビ」を敢行します。各芸能事務所が出方を読み合ったり、インターネット対テレビ界のような構図もあったりして、なかなかゲスト出演者が決まりませんでした。それでもなんとか番組は成立し、長時間の放送が実現しました。
再び稲垣が人目をはばからず泣いて…
最後のシーンで、新しい地図の3人は、そろって涙を流します。ここでも稲垣さんが人目をはばからず泣いていたのは、すこし意外であり、また感動的でした。淡々としているように見えることもある稲垣さんですが、解散したあとは当然ながら大きな葛藤を胸に抱えていたのです。
強くて熱い思いを持って、新しい道へ踏み出したことが、あのときの涙から伝わってきました。
美形のタレントは年齢を重ねていくにつれ、単に「美しさ推し」だけで進むわけにもいかず、路線変更を迫られてしんどそうな人も見かけます。が、稲垣吾郎の場合は、まったくそんなことがありません。無理なく変化していき、結果として大人の色気が増し、年々かっこよくなっています。50歳になってから、ますます肩の力が抜けて、「かっこよくあることにがんばり過ぎていない、かっこよさ」がにじみ出ています。
これからも多方面の活動で、人としてのかっこよさを見せつけ続けてほしいものです。
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