かたせ梨乃さん

 邦楽の名門・西松流の名取となり、このほど東京・神田明神で行われた名取式に出席した。芸名は己紗典咏(みさてんえい)。かたせさんの本名から1字取った。

 きっかけは、ヒロインを演じた横溝正史原作のCX系スペシャルドラマ『悪魔の手毬唄』(2009年)。三味線のシーンがあったことから、海外公演も行う邦楽の大家、西松布咏さんに弟子入り。以来、月に3回、稽古に通う。

「もともと三味線を習うために始めたのですが、お唄を歌えないといけないということで、両方を学ぶようになりました。最近、日本では季節を感じることが少なくなりましたが、江戸唄は季節が詠まれていて、1人で三味線を稽古すると季節を感じるんです。それが楽しくて、ずっと続けてきました」

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 ピアノ、フランス語、フラメンコとさまざまな習い事を続けている凝り性。「名取をいただけるほどの腕前ではないのですが、名前をもらったことで、もっと努力しなければ、と思うようになりました。ここからがスタートと思っています。職業が女優ですから、体では喜びや哀しみなどを伝えることができるのですが、三味や唄でも感情を乗せられるようになりたいです」

 女優としてはゲスト出演した『劇場版コード・ブルー――ドクターヘリ緊急救命――』(西浦正記監督、7月27日公開)が控えるが、「映画やドラマで、三味線を披露する機会があれば」と意気込む。9月30には『己紗の聲を聴く会』(東京・銀座ライオン 銀座クラシックホール)で、その腕前を披露する。

INFORMATION

劇場版コード・ブルー――ドクターヘリ緊急救命――
西浦正記監督/7月27日より公開
http://codeblue-movie.com/

己紗の聲を聴く会
9月30日公演
http://www.misanokai.com/index3/schl_2.html