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「残クレ利用者=情弱」というイメージ

 ここまでの内容からすると、一見「スマートな買い方」にも思える残クレだが、ネックのひとつに金利の高さがある。銀行のカーローンに比べると、利率がかなり高めに設定されているのだ。

「注意する必要があるのは、残クレの金利が『残価分』にもかけられる点です。たとえば600万円の車で残価が400万円に設定されていれば、返済するのは200万円ですが、金利は600万円の方にまるまるかかってきます。なのでほとんどの場合、利息分は銀行ローンよりも高くなりますね」(同前)

 このような点から、残クレ利用者を「目先の安さに釣られて、結局多くの利息を払っている情報弱者」と見なす声はネット上に散見される。いわばクレジットカードの「リボ地獄」と似た構図を、この残クレにも見ているのかもしれない。

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「オラオラ顔」だけど取り扱いは丁寧に

 さらに「突っ込みどころ」とされているのが、「自分の車なのに気を遣って乗らなければいけない」という点だ。

「ネックになりやすいのが、走行距離の制限です。大抵、『3年間で3万6000キロ』というように、月あたり1000キロ前後を基準に上限が設定されていて、超過した分に応じて追加の支払いが発生します。

 ただ、たとえば1万キロ程度の超過なら5万円くらいで済みますから、実際にはそこまで気にすることもないんでしょうけどね。それでも、なんとなく気にされる方は多い印象です。

 その他、外装のダメージや、車内の著しい汚れや臭いなども査定ダウンにつながるので、追加の支払いが発生する可能性がありますね」(同前)

 つまり、残クレは「将来の価値」を前借りしているわけなので、その価値を損なうような使い方はできないのだ。

 このように「細かいことを気にしながら乗らなければならない」という点が、公道におけるアルファードの堂々とした存在感とギャップを感じさせている面もあるのだろう。

写真はイメージ ©️AFLO

アルファードオーナー、残クレの利用率は

 ところで実際のところ、アルファード購入者のうち残クレを選んでいる割合はどのくらいなのだろう。

「半分とまではいきませんが、3割~4割くらいの方は残クレを選んでいる印象ですね。通常のローンも同じくらいの割合で、あとは現金一括が2割くらいでしょうか。先代と比べて、現金一括の割合がやや下がっている感じはします。

 アルファードの購入価格帯が先代と比べてかなり上がっているので、一括で支払う方も減っているのだと思われます」(同前)

 また、そもそもアルファードは現在受注もままならない状況にあり、転売防止のためにローンまたは残クレでの購入を必須条件としているディーラーもあるという(*1)。つまり「本当は現金一括で買いたいが、仕方なく残クレに」といったケースも少なからずあるわけだ。

*1 こうした販売方法は、かねてより独占禁止法違反に該当する可能性が指摘されている。11月15日、自動車販売取引の適正化を目的とする「一般社団法人自動車公正取引協議会」は、ディーラー側が「ローンによる購入」など購入条件を指定する販売方法を「不適切な販売方法」と位置づけ、今後の適正化に努めるよう販売事業者に注意喚起を行った