須藤早貴被告(28)は覚醒剤を使って元夫の野崎幸助氏(享年77)を殺害したのか――。和歌山地裁で行われている注目の裁判員裁判は、11月15日、大詰めとなる3回目の被告人質問を迎えた。

12日午後、和歌山地裁で開かれた初公判に出廷した元妻の須藤早貴被告(中央)[イラスト・松元悠氏] ©時事通信社

 野崎氏が和歌山県田辺市にある自宅2階の寝室で死亡したのは、2018年5月24日。第一発見者が、当時22歳の新妻・須藤だった。後日、野崎氏の死因は多量の覚醒剤を経口摂取したことによる急性覚醒剤中毒と判明する。

「私は何年も人殺し扱いなので。クソッと」

 この日、検察側から野崎氏の死を知った時の感情を「どちらかといえば“無”」と答えた須藤。改めて野崎氏の死をどう思ったかを問われると、しばし沈黙して「目の前にいるなら文句を言ってやりたい」と静かに怒りを滲ませた。

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須藤早貴被告

 その発言を受け、弁護側が「いま本人がいると思って文句を言ってみて」と促す。

「もうちょっと死に方を考えてほしかったです。社長(野崎氏)があのタイミングで死んだせいで、私は何年も人殺し扱いなので。クソッと」(須藤の法廷証言より)

 司法担当記者が整理する。

「そもそも、須藤被告は野崎氏に『恋愛感情はなかった』と言い切り、金目当てで結婚したことも否定していません。求婚する野崎氏に対して、毎月100万円をもらう一方で、性交渉も同居もしない、そんな条件を飲ませ、2018年2月に入籍しています。

 プロポーズの際、野崎氏から遺産をもらってほしいと言われ、須藤被告も自然死を待っていずれ遺産をもらうつもりだったようです。ところが、3月下旬から早くも野崎氏が離婚を口にするようになり、その月末から須藤被告が田辺市で同居を開始。5月、野崎氏は自宅で命を落としてしまうのです」