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「(遺産より)月100万円の方が大事でした」

 検察側は、野崎氏の死を「須藤による遺産目当ての殺人」と指摘。須藤は11月11日の被告人質問で「遺産目的で結婚したことは誰にも隠していない」と証言したが、質問最終日となる15日、あらためてこう強調した。

77歳で亡くなった野崎氏

「結婚は遺産目的というか、お金目的です。私にとっては先のこと、未来より、目先のことの方が大事。(遺産より)月100万円の方が大事でした」

 あからさまな金銭欲を披瀝した須藤が、野崎氏の死後、莫大な金を手にしていたのも事実。事後対応を任せた弁護士の勧めで野崎氏の会社の代表に就任した須藤は、同年9月6日、役員報酬として約3800万円を受け取っている。検察側の冒頭陳述によれば、須藤は元夫の死後、6800万円強の“ドン・ファンマネー”を個人口座に移し、逮捕までの約3年間で約5500万円を使っていたという。

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初公判に出廷した須藤早貴被告=12日、和歌山地裁[イラスト・松元悠氏] ©時事通信社

 15日の公判では、その使途にも質問が及んだ。以下は、検察側とのやりとりだ。

6800万円強の“ドン・ファンマネー”の使い道

――お金の使い道について。大きな出費は?

「ポルシェを買いました。1回乗り換えたので、2台。中古で、知り合いに頼んで安く買ったので、何千万円とかじゃないです。2台目は500万円くらいで、1台目はもうちょっと安いくらいです」

――ハーレーダビッドソンのバイクも?

「買いました。180万円くらいのものを1台です」

――友人とのLINEで「顔を変えたい」と言っているが、実際、美容整形手術はした?