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「困ってるんだな」「かわいそうだな」と思って居候させてあげるけど、結構な割合で裏切られてきました。さすがに暴力事件はなかったですが、シャブをやったあとのポンプなんかを置いていきますから、危なくってしょうがないのです。

「ワシの給料からピンハネしてるやろ」

 これなんか刑務所を出てきた人であるあるのケースなんですが、大阪のヤクザの知り合いから電話が入り、「大阪で仕事できないから、岐阜で探したい思うとるんですわ。仕事が決まるまで置いてもらえんですか」と頼まれました。

 私も女で、すでにカタギですから、元ヤクザの男の居候には気を使います。この知り合い――山一抗争(山口組と一和会の抗争)のとき、有名になった元ヤクザ――が岐阜に来たら、すぐに解体をやっている青山さんに「仕事を探してっから、使ってやってくれ」と紹介し、翌日から出勤してもらいました。

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 元ヤクザは一週間ほどすると、突然、「大阪、帰るわ」と言い出したので、私も「そう、なら帰んな」と理由を聞くことも引き止めることもしませんでした。数日後、青山さんに件の元ヤクザから電話があり、「西村がワシの給料からピンハネしてるやろ」と、えらい剣幕で文句を言われたそうです。