チャンネル登録者数は12万人を突破(2024年11月時点)――日本社会で生きづらさを感じ、コロナ禍前の2019年にメキシコへ移住したルス・グアダルーペさん(29)歳。異国の地で、彼女が見た驚きの光景を初の著書『ラテンのフィルターを通した世界はいつでもポジティブ 社会不適合者の人生サバイブ術』(KADOKAWA)より一部抜粋してお届け。生理痛に悩んだとき、メキシコの女性が使う「日本では違法なアレ」とは?(全2回の1回目/後編を読む)
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メキシコに「マフィア」が多い理由
メキシコに住んでいると、「マフィア」とか「麻薬」といった物騒な言葉が身近になります。私の感覚では、自分から裏社会に足を踏み入れなければ全然大丈夫。そもそも、マフィアの人ってわかりやすく「マフィアです!」と主張しているわけではなく、どこにでもいます。前に住んでいたマンションにもいたし、今住んでいるマンションにもいる可能性はあります。どこにでもいるから、気を付けようがないのです。
気を付けることがあるとすれば、知らない人とトラブルにならないようにすること。誰が裏社会の人か本当にわからないので、私も無用なトラブルを起こさないよう心がけています。
以前、車のクラクションを鳴らしたら相手がマフィアで、銃を向けられた……みたいな話を聞いたことがあります。夫は運転中にイラつくことがあるとすぐにクラクションを鳴らすので、私はそのたびに「やめて!」と注意しています。
メキシコでは、うかつにクラクションも鳴らせません。
どんな人がマフィアになるのか、私はよく知りません。
でも、よく聞くのは「もともと軍人だった」という人。あと、お金がすべてだと思っている人にとって、マフィアはすごく稼げる生き方。公務員として働くより、麻薬を売ったほうが儲かります。良い給料のためそっちに……と引き抜かれる人も多いと聞きます。
外国人の場合は、自分から裏社会に近づかなければ基本的には大丈夫。
でもメキシコの田舎出身の人だと、自分が関わらないようにしていても“気付いたら友人がマフィアになっていた”ということがあり得ます。
そうなると、勘違いで自分が狙われたり、報復活動に利用されたりするリスクが増えしまいます。自分はまっすぐ生きていても、まわりがマフィアになったことでリスクにさらされる……人によっては、そんな危険から逃げて州を変えて引っ越す人もいるそう。
メキシコ人の場合、生まれた場所の治安によって、自分がどうであれ裏社会に足を突っ込んでしまう可能性があるのです。
麻薬に関しては、田舎に行くと“明らかにクスリをやっている目”をしている人をけっこう見かけます。そういう人は目が充血して、視点が合わずフラフラしています。