警察が犯罪者を取り締まらない国はどうなってしまうのか…? ここでは警察が頼りにならないゆえに、民間人による私刑が許されたメキシコの実情をお届け。

 コロナ禍前の2019年にメキシコへ移住し、現在はYouTuberとして人気を集めるルス・グアダルーペさん初の著書『ラテンのフィルターを通した世界はいつでもポジティブ 社会不適合者の人生サバイブ術』(KADOKAWA)より一部抜粋してお届けする。(全2回の2回目/最初から読む)

写真のように警察が犯罪者をうまく取り締まらないのがメキシコの実情だという。写真はイメージ ©getty

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警察がまともに機能しないメキシコ

 メキシコの警察は、日本の警察ほど頼できる存在ではありません。犯罪を見逃す代わりに賄賂を要求してきたり、マフィアと繋がっている警察官がいたり……。はっきり言って、まともに機能しているとは思えません。

 結果、メキシコ人は犯罪者に遭遇すると、自分たちで罰をくだしがち。

 最近だと、とある村で子どもを殺した犯人が、村人たちにリンチの末殺された……という出来事がありました。

 メキシコの場合、犯罪をしても捕まらず逃げ切られてしまうことが多いので、その前に「自分たちで罰をくだそう」という考え方があるのかもと、感じます。

 私のInstagramのリールには、強盗がリンチを受けている動画がよく流れてきます。

 バスにマスクをした人が乗ってきて「財布を出せ!」と言うけれど、屈強なお客さんを中心にみんなで強盗を捕まえる。そこで止まれば良いものの、流れでボッコボコにしてしまい、挙句の果てにはバスから強盗を投げ捨てる……そんな動画です。

 日本だったら、強盗を捕まえるところまででお手柄だと思います。そこまでやって警察に突き出せば、法がきちんと裁いてくれるからです。

 でもメキシコの場合、捕まえた強盗は逮捕されたとしても、すぐに出てきてしまうことがあります。