日本一人口の少ない村、青ヶ島村在住のYouTuber・佐々木加絵さんが“島暮らし”を発信する連載企画。

 東京都心から約360km離れた人口163人(2024年11月1日時点)の小さな島・青ヶ島。交通手段が限られていて、簡単に上陸できないことから、別名「絶海の孤島」と呼ばれている。

 そんな青ヶ島の日常をYouTubeで発信しているのが、佐々木加絵さん(40)。「私にとっては普通なのですが、島外の人からすれば、青ヶ島の日常は非日常なのかもしれない」と話す加絵さんは、いったいどんな“島暮らし”を送っているのだろうか。今回は、「仕事」をテーマに、青ヶ島の日常を紐解いていく。

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青ヶ島生まれ・青ヶ島育ちの佐々木加絵さん(本人提供)

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青ヶ島で一番多い職種とは?

 みなさんは、青ヶ島の人たちが、どんな仕事をしているのか想像できますか。人口約160人の小さな島なので「仕事の種類も限られているのでは?」と思われる方も多いかもしれません。今日は、そんな青ヶ島のお仕事事情についてお話ししていきたいと思います。

 早速、読者のみなさんに質問です。青ヶ島で一番就業者の多い職種は何だと思いますか?

 正解は、「公務員」です。村役場の職員や小中学校の先生、交番勤務のおまわりさんなどを合わせると、50人以上はいるんじゃないかと。つまり、島民の約3分の1が公務員ということになります。

 ちなみに、役場の職員といっても、村役場で働く事務員だけでなく、保育園の先生、村の診療所で働く医者や看護師、発電所の職員など、いろんなお仕事の方がいます。また、小中学校の先生は、東京都の職員です。青ヶ島には、転勤で数年ほど滞在している方がほとんど。

絶海の孤島・青ヶ島(撮影=原田誠さん/写真提供=佐々木加絵さん)

「家族が食べる分の食材は自分たちで用意する」

 公務員以外では、島で唯一の金融機関である郵便局、道路や港、村営住宅をつくる建設会社、島の特産品「ひんぎゃの塩」を作る塩工場で働く人も多いですね。

 他の地域と比較すると、自営業の人たちも多いかもしれません。農業、漁業、民宿の経営、青ヶ島伝統の焼酎「あおちゅう」作り、電気屋さん、修理業、ブランド牛「東京ビーフ」の畜産など、仕事内容は様々です。

 子育て中の方など、短時間だけ働いている人もいます。村役場で短時間勤務したり、老人クラブや民宿のお手伝いをしたり。働いてはいなくても、自宅の畑で野菜を育てたり、港で釣りをしたりと、「家族が食べる分の食材は自分たちで用意する」という方も少なくありません。