日本一人口の少ない村、青ヶ島村在住のYouTuber・佐々木加絵さんが“島暮らし”を発信する連載企画。

 東京都心から約360km離れた人口156人(2025年12月1日時点)の小さな島・青ヶ島。交通手段が限られていて、簡単に上陸できないことから、別名「絶海の孤島」と呼ばれている。

 そんな青ヶ島の日常をYouTubeで発信しているのが、佐々木加絵さん(41)。「私にとっては普通なのですが、島外の人からすれば、青ヶ島の日常は非日常なのかもしれない」と話す加絵さんは、いったいどんな“島暮らし”を送っているのだろうか。今回は、今年10月に青ヶ島・八丈島を襲った台風被害を受けて、「自然災害」をテーマに青ヶ島の日常を解き明かす。

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青ヶ島生まれ・青ヶ島育ちの佐々木加絵さん(本人提供)

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直撃するまでは正直半信半疑だった

 2025年10月、青ヶ島に過去最大級の台風が直撃しました。

 青ヶ島は、それなりに台風が直撃する島です。ただ、ここ数年は黒潮大蛇行の影響なのか、そんなに威力は大きくなくて。

 いつも台風に備えて一応の準備はするものの、「いつもよりちょっと激しめの雨と風が来た」という感じで、あまり影響はありませんでした。少なくとも私が帰郷してからは、大きい台風の経験はありません。

絶海の孤島・青ヶ島(写真=佐々木加絵さん提供)

 そんな中、今回は数日前から「過去最大級の台風が直撃する」と言われていました。とはいえ、台風の進路って突然変わったりするじゃないですか。威力が途中で弱まることもよくあります。だから、直撃するまでは、正直半信半疑だったんですよね。

 でも、ニュースはもちろん、村役場からも「台風に備えて」と何度も連絡があったから、数日前から村の至る所で台風に備えて準備をする村民の姿が見られました。

 雨戸が付いてない古い家は、何も対策をしないまま台風が直撃すると、最悪、家が壊れてしまう可能性も。それを防ぐために、窓に「コンクリート型枠用パネル(コンパネ)」を打ち付けて補強します。

 そして、近隣の離島などからアクセスするしかない「二次離島」だから修理業者を呼ぶのも、そのための材料を運ぶのも大変です。家の一部が壊れて修理が必要な状況になっても、村にある材料を使って自分たちで補強するのは珍しくはありません。