村内の約半分の家庭で停電が発生

 一方、村では最近、村営住宅の建設を積極的に行っています。私も以前は実家に住んでいたのですが、結婚後は村営住宅に住んでいます。

 村営住宅はコンクリートで作られているし、窓には雨戸が付いているから、台風のときでも大きな対策は必要ありません。私の場合、台風前にベランダや庭に置いてあるものを片付けて、雨戸を閉めたくらいでした。

 それでも、10月8日に台風22号が直撃したときは、家鳴りや風の音がすごかったですね。

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 台風の直撃によって、強風で電線が切れて、村内の約半分の家庭で停電が発生しました。我が家も停電して、一時的にですが冷蔵庫やお風呂が使えなくなってしまって。あと、強風の影響で通気口から家の中に砂が入ってきてしまって、掃除が大変でした。

台風直撃後の青ヶ島(写真=佐々木加絵さんのXより)

 ただ、私の実家は停電しなかったので、電気が復旧するまでの間、実家の冷蔵庫やお風呂を借りて凌いでいました。「おじゃれセンター」という公共施設で停電した家庭用にシャワーを貸し出していたり、村の倉庫にある冷凍庫を使わせてもらえたりしたので、そこを利用している人もいましたね。

 あと困ったことで言うと、光ケーブルが一部破損してしまって、インターネットや固定電話が一時的に使えなくなってしまったんです。

 島内のほとんどの民宿は「固定電話」で予約や問い合わせの受付をしているので、宿泊予定のお客さんとやりとりができなくて困った、という話も聞きました。

台風が去った後、見える景色が変わっていてびっくりした

 それ以外にも、木々や電柱が倒れて道路が塞がれてしまったり、対策をしていたにもかかわらず窓ガラスや屋根が壊れたりした家もありました。青ヶ島には学校も信号機も1つしかないのですが、学校の屋根は一部剥がれ、信号機は強風で曲がってしまいました。

台風直撃後の青ヶ島(写真=佐々木加絵さんのXより)

 台風が去った後に外に出てみると、見える景色が変わっていてびっくりしましたね。数日前まで緑が生い茂っていた山道が、スカスカで茶色くなっていたんです。今回の台風の影響が、想像以上に大きかったことを実感しました。

 一方で、復旧も想像以上に早かったです。停電は1日程度で解消されましたし、インターネットも2日で復旧しました。道路を塞いでいた倒木や電柱も、台風が去った翌日には撤去されていました。