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ダフト・パンク解散の理由のひとつに「テクノロジーの進歩」

 2014年、ダフト・パンクはアルバム『Random Access Memories』で第56回グラミー賞主要部門の「最優秀レコード」「最優秀アルバム」を含む5部門を受賞。世界的な大ヒットを記録し、ダンス・ミュージック界の頂点に立った。

 そして2021年2月22日、自身のYouTubeチャンネルで約8分間のビデオ「Epilogue」を発表し、解散を表明。ギ=マニュエルがタイマーをセットし、動けなくなったトーマが爆散する映像は世界中のファンに衝撃を与えた。

 2023年のインタビューでトーマは解散を決めた理由のひとつにテクノロジーの進歩を挙げている。「ダフト・パンクはロボットのキャラクターで現実とフィクションの境界線をぼやかしたプロジェクトだった。我々は機械では感じることができない感情を表現するために機械を使った。テクノロジーの側ではなく、人類の側にいる。マスクを被ったキャラクターは好きだが、2023年の世界において一番なりたくないのはロボットだ」。

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©© 2003 DAFT LIFE LTD.

 

 これは松本零士が『銀河鉄道999』で人間が機械の身体に魂を移し替えて生を謳歌する理想郷に反旗を翻した同作のテーマとも繋がっている。『インターステラ5555』の「5555」はThe 5tory of the 5ecret 5tar 5ystemという意味だが、“大人の1000になる一歩手前、未完成の青春の終わり”という意味を込めた「999」への敬意もきっとあるだろう。

ダフト・パンクのミュージックビデオも劇場で一挙初上映

 今回の特別上映では本編に続き、スパイク・ジョーンズ、ミシェル・ゴンドリー、セブ・ジャニアック、ロマン・コッポラという鬼才監督たちによるダフト・パンクのミュージックビデオが初めて劇場上映される。

 中でも注目したいのは彼らにとって最後のミュージック・ビデオになった「Infinity Repeating」。ジュリアン・カサブランカスがボーカルで参加、ウォーレン・フーが監督を務めた本作は、3つのアニメーションスタジオ(ロンドンのPicnic Studio、パリのH5 Studio、Light Studios)のコラボレーションにより制作。さまざまなキャラクターが歩く動きをフィーチャーし、テクノロジーが人間を追い抜こうとして崩壊するまでの円環をアニメーションで表現したものだ。

©2003 DAFT LIFE LTD.

 ダフト・パンクが各界のトップクリエイターと共に遺したレガシーを大スクリーン、大音量で体験できる貴重な機会につき、どうぞお見逃しなく。映画ファンならクレッシェンドールズの青い肌に 『アバター』(2009年)を、コンサート会場の襲撃シーンに『テネット』(2020年)を、終盤の展開にアルセーヌ・ルパンの著作権の関係で2019年までフランスでは上映されなかった『ルパン三世 カリオストロの城』(1979)を感じることだろう。そして現代に通じる先見性や普遍性を映像の端々から味わっていただきたい。

 

 

原題:Daft Punk & Leiji Matsumoto 『Interstella: The 5tory of the 5ecret 5tar 5ystem』

邦題:ダフト・パンク&松本零士『インターステラ5555』

公開可能日程: 12/12(木)~12/15(日)

本編尺: 93 分

素材: DCP

※ 映写機材の仕様により、劇場によっては 2K での上映となる場合がございます。

Aspect ratio: Flat (4:3)

Sound: 5.1

オリジナル言語: 日本語

コピーライト:© 2003 DAFT LIFE LTD.

公開表記:2024 年 12 月 12 日(木) 世界同時公開

公開作 HP:https://www.culture-ville.jp/daftpunk

鑑賞料金:2500 円一律(劇場およびスクリーンによりアップチャージ料金がある可能性がございます。詳細は直接、ご鑑賞予定の劇場へお問い合わせください)

配給:カルチャヴィル

協力:ワーナーミュージック