ダンス・ミュージックに革命的な進化をもたらしたダフト・パンクと、日本の漫画界を代表する松本零士によるアニメーション作品『インターステラ5555』の4Kリマスター版が、2024年12月12日に世界40か国以上の映画館で上映される。2003年5月18日にカンヌ国際映画祭でプレミア上映後、ごく一部の劇場で短期間公開されて以来、約20年ぶりの映画館への帰還だ。
フランスの2人組ユニット、ダフト・パンクとは
ダフト・パンク、クリエイティブ・ディレクターのセドリック・エルヴェ、松本零士、東映アニメーションが共同で制作したこの作品は、2001年に発表されたダフト・パンクのアルバム『Discovery』の全曲をサウンドトラックに、青い肌の住人が平和に暮らす惑星で大人気のロックバンド“ザ・クレッシェンドールズ(アルバム曲「CRESCENDOLLS」に由来)”の活躍と、彼らを利用しようとするダークウッド伯爵の陰謀が壮大なストーリーで描かれている。
ダフト・パンクは、フランス人のトーマ・バンガルテルとギ=マニュエル・ド・オメン=クリストによって1993年にフランス・パリで結成。ユニット名は二人が在籍した前身となる3人組バンド、darlin'(ダーリン)が英音楽誌「メロディ・メーカー」から「a daft punky thrash(馬鹿げた喧騒)」と受けた酷評に由来している。
その後darlin'は解散。音楽の方向性を改めた二人は改名し、1994年にシングル「The New Wave」でデビュー、1995年にスパイク・ジョーンズが監督した「Da Funk」のミュージックビデオが注目を集めると、1997年に同曲を収録したファーストアルバム『Homework』でブレイク。「フレンチ・ハウス」「フィルター・ハウス」と呼ばれるシーンを開拓していく。また、darlin'の残りのメンバーであるローラン・ブランコウィッツはPhoenix(フェニックス)に参加。今年のパリ五輪閉会式で印象的なパフォーマンスを披露したことは記憶に新しい。
2000年11月、世紀またぎのアンセムとなったシングル「One More Time」をリリース。この頃から二人は人前に出る際はメタリックなマスクを着用するようになる。彼ら曰く「1999年9月9日にコンピュータがバグを起こして機材が爆発。2人もロボットの姿になり記憶の一部も失われた」そうだ。電飾を施したマスクは1980年代に人気を博した日本の特撮作品『宇宙刑事ギャバン』を想起させるが、そもそも同作のタイトル自体、『現金に手を出すな』(1954年)、『地下室のメロディー』(1963年)で知られるフランスの名優ジャン・ギャバンからとられたものだ。