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「スタジオジブリでさえ北米では小規模公開の作品です…」それでも日本アニメ映画が海外で異常な興行収入を稼ぎ続けている“納得の理由”

「スタジオジブリでさえ北米では小規模公開の作品です…」それでも日本アニメ映画が海外で異常な興行収入を稼ぎ続けている“納得の理由”

2023/09/29
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 国内アニメ映画の興行が好調だ。2016年に『君の名は。』が興行収入251億円と大きな記録を打ち立てると、それ以降、記録破りの映画が相次いでいる。ひと昔前は、興行収入100億円を越える日本アニメ映画は宮崎駿作品だけだったが、直近3年間だけでも2020年に『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が興行収入404億円と驚愕の数字で歴代興行収入最高となったほか、『ONE PIECE FILM RED』、『すずめの戸締まり』、『THE FIRST SLAM DUNK』、『劇場版 呪術廻戦 0』、『名探偵コナン 黒鉄の魚影』と100億円の大台突破が続出する。映画興行ランキングの上位にはアニメが並び、国内アニメ映画時代の到来を感じさせる。

©iStock.com

記録破りの大ヒットを続ける日本アニメ映画

 国内の好調に目を奪われがちだが、実はアニメ映画の勢いは日本だけにとどまらない。いまや日本のアニメ映画は、海外でも台風の目になっている。北米、アジア、ヨーロッパ、ここ数年は世界中で興行成績が急伸し、時にはハリウッド大作に匹敵する結果もだす。最近では『THE FIRST SLAM DUNK』や『すずめの戸締まり』が、中国や韓国で記録破りの大ヒットになったとのニュースを目にした方も多いだろう。『すずめの戸締まり』の海外興収は280億円以上、日本での2倍近くになる。

『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の活躍は、なかでも注目だ。2021年4月にアメリカとカナダを合わせた北米で公開されると、公開2週目の週末興行で1位に輝いた。日本映画としては『ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』以来、実に22年ぶりの出来事だった。北米だけで47億円、日本を除く世界では117億円を稼ぎだした。

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『鬼滅の刃』公式サイトより

「日本アニメが世界で大人気!」のフレーズは、今や多くの人が聞きなれているかもしれない。00年代より前から、海外の日本アニメ人気はたびたび語られてきたし、昨今はメディアで頻繁にその人気が特集される。