「健康そのものだった26歳の晃大は、ファイザー社製メッセンジャーRNAワクチンの2回目接種の3日後に、急性心不全で亡くなりました。2021年9月のことです。2年後に、国の予防接種健康被害救済制度の健康被害審査で認定されました」

 16万部のベストセラーになっている書籍『私たちは売りたくない!』(方丈社)。その刊行のきっかけとなったコロナワクチン接種による被害者・影山晃大さんの父・均さんが、月刊「文藝春秋」の取材に応え、最愛の息子を失った心情とコロナワクチン健康被害の現実について語った。

影山晃大さん(影山均さん提供)

「晃大くんの名前が出ているけどいいの?」

 同書は医薬品事業会社「Meiji Seika ファルマ」の現役社員有志が書いた。2024年秋、同社が新型コロナワクチンとして、世界初の次世代メッセンジャーRNAワクチン「レプリコンワクチン」を発売することに対して、警鐘を鳴らそうと出版したものだ。均さんは、亡くなった晃大さんとともに同書で実名を公表している。

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「妻は知人から『晃大くんの名前が出ているけどいいの?』と心配されたそうです。

 国が推奨するワクチンの負の側面を語るのは、タブーだという認識が背後にあるのでしょう。私だって本音を言えば、目立ちたくない。

 しかし晃大の死から3年が過ぎ、時が経つほど私たち家族としては悔しさが増す一方で、世間からは忘れられていくのを感じます。

 さらに、晃大が勤めていた会社の新型ワクチンが、彼の命を奪ったワクチンと同じように安全性に疑問があるという事実も、私たちの苦悩を深めています」

 晃大さんの突然の死を受け止めることができず、均さんは「無知ではいけない」と新型コロナワクチンについて調べ、勉強してきた。医師などの講演会や勉強会にも足を運んだ。その過程で晃大さんのように、新型コロナワクチン接種で人生が変わってしまった人がたくさんいることを知ったという。

「晃大のケースと同様、ワクチン接種後に心不全などで急死した青年のご遺族に何人も接してきました。そのたびに、果たして若い彼らは命をかけてワクチンを打つ必要があったのかという思いが湧きおこってきます」