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アレン 最近あたしの中で葛藤してることが1個あって、労働大っ嫌いだけど、あたしが労働しなくなったら、皆さんに供給できるものがゼロになるでしょ。そうすると、クリマンってあたしを道しるべにしてくださってるから、我が子たちが生きる術を失っちゃうのよ。

 だから今は、自分ができる範囲でクリマンのために頑張ろうかなって思ってる。

――お金のためというより、クリマンのために労働すると。

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アレン ぶっちゃけもう、お金よりそっちかな。もう今はできる限り、労働はしない方向に持っていってるので、必然的に金額が上がりはじめたっていうね、アハハハ。

――アレン様の単価が上がっているわけですね。

アレン 「それだと出ません」「いや働きたくないんで」「じゃあいくらだったら出ますか?」っていう感じには今なってきてる、正直問題(笑)。

©細田忠/文藝春秋

昔のいじめっ子に「ちょっと感謝もしてる」理由

――アレン様は「全ア」本の中で、上京したばかりの頃、「地元の芋たちにはできないことをできてるって思いたい、バカにしてやりたいっていう気持ちだった」と語っています。今、地元の人たちを「見返したい」という気持ちに変化は?

アレン 気持ちとしては、終わったに等しい。あたしをいじめてきた人たちより十分、幸せに生きてるって自負があるし、自分が見返すためにやりたかったこと……整形したい、テレビに出たい、お金がほしい……その当時、自分が子どもながらに考えた“見返したい方法”っていうのは全部叶えられたんで、もうその気持ちは十分、自分の中でケリがついた感じはします。

©細田忠/文藝春秋

――当時のいじめっ子と連絡をとることはありますか。

アレン 会ってないです。会ってないですけど、やっぱり地元なんでね、話は伝わってきてて、その方は今、お子さんがいらっしゃるんですって。で、そのお子さんがいじめに遭って不登校らしいんですよ。もしそれが本当なら、親は自分がしてきた過去と向き合って、子どもに正直に話すべきよね。「自分も昔、同級生をいじめてた」って。

 ただね、ちょっと感謝もしてるのよ。

©細田忠/文藝春秋

――いじめられたことに対してですか?

アレン そう。あの当時の自分って、すごいキツかったんですよね。キツかったから少年院に行くぐらい荒れちゃったし、そのきっかけがいじめだったじゃない。でも、あのときのいじめがなかったら、あたしはここまで、「見返したい」って気持ちだけを原動力に頑張ってこれなかったと思う。

 いじめだけじゃなくて、「普通」になれなくて悩み続けてきたこととか、その過程がなかったら、あたしはこんなに自分の気持ちを自分で見ようとは思ってなかったと思う。キツかったことをどう乗り越えて自分を表現できるようになるまで変わったのか。そこにみんなが共感をしてくれてるのかなって思うの。