「生きる幻」として知られ、SNSを中心に人気の大物マダムタレント・アレンさん。10月末に刊行された『全てアレン様が正しいでございます』(通称「全ア」本/玄光社)も売り切れ続出となり、大きな反響を呼んでいる。
高知県で生まれ、「普通」ではない自分に劣等感を抱え続けていた幼少期を経て、いかに「アレン様」となったのか? 知られざる半生が赤裸々に語られた「全ア」本を頼りに、2年ぶりに再びご本人に話を聞いた。(全2回の1回目/続きを読む)
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本の企画が通らず…「悔しい」じゃなくて「気持ちワルっ」と思った
アレン はい、では今から2社目の文春オンラインさん取材頑張ります(動画を撮っているスマホカメラに向かって)。
――今日はたくさんの取材が入っているんですね。
アレン 今日は7つね。
――アレン様はつねづね「労働人生」を拒否されていますが、「全ア」本作りという労働に関してはいかがでしたか。
アレン それはすっごい答えたい質問で。あのね、あたしもともと、本を出すことに対してネガティブなイメージを持ってたじゃない?
――2年前の取材時には、本の企画が通らないという話をされていて。
アレン そうなの。最初、いろんなところから出版のオファーがあったときは期待してたの。うわっ、自分の本を出せるかも、ってね。やっぱりメディアに出る側として本には憧れてたし、嬉しいじゃない。
で、企画を立てた現場の編集者さんはみんな熱意を持ってやってくれるんだけど、上層部、頭の固いジジイどもの「ダメ!」で全部、終了よ。あたしはそのとき「悔しい」じゃなくて、純粋に「気持ちワルっ」と思ったの。
その怒りがあっての今! (バーンと机を叩く)ジジイどもざまあみろって!
――そんな過去を乗り越えての「全ア」本刊行、本当におめでとうございます。アレン様が赤ペンを持ってゲラチェックもされて?
アレン 絶対に。マネージャーに任せてないです、1個も。別の仕事終わりの夜9時からこの本のチェックをしたりとかね。でも、「全ア」本で苦とかはまったくない。
だから、このかたちで良かったんだって思ったの。これまで断ってくれてありがとう、大馬鹿デビル出版社!
いじめかどうか判然としない間が一番しんどかった
――「全ア」本の中ではかつていじめを受けていたことも赤裸々に書かれています。書く時に苦しい部分もあったのではないかと思うのですが。
アレン あたし、この本で書いたことの3割ぐらいは、自分の記憶に蓋をしてたことなんですよね。いじめに耐えられなくなって家に帰った日、親が抱いてくれて一緒に泣いたこととか、本を書くために家族や友だちに電話して、無理やり思い出したのよ。
いじめって、突然はじまるわけじゃないんです。そこが強いて言うなら一番しんどかったかもしれない。