「生きる幻」として知られ、SNSを中心に人気の大物マダムタレント・アレンさん。10月末に刊行された『全てアレン様が正しいでございます』(通称「全ア本」/玄光社)には、今まで明かされなかった過去や想いが綴られており、大きな反響を呼んでいる。

 ここでは、そんな「全ア本」より一部を抜粋して紹介。

 中学時代に突然始まったいじめに対し、「見返したい、怖がらせたい」という気持ちがどんどん強くなり「グレた」というアレンさん。後に逮捕され少年院に入ったほどの「やりたい放題」とは一体どんな状態だったのか――。(全3回の2回目/続きを読む

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アレン様 『全てアレン様が正しいでございます』より

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怖がらせたくて、グレていった

 ヮタクシがグレた時、やっと自分のターンだって思ったの。髪を染めてピアスもしたヮタクシを見て、学校の奴らが怖がっていく。その様子を見て、今までできなかったことを取り戻した感じがしたの。ようやく今から自分を取り戻すターンだって思ったのよ。

 みんな、自分を表現する方法がいろいろあるじゃない、趣味だったり習い事だったり。ヮタクシはそれができなかったから、不良になってやっと自分を表現できるようになったの。地元の公立中学校にも話が回るぐらいのグレ方をしたから「小学校の時の○○が今あんなにグレてるらしいよ」って、まるで武勇伝のように噂が広まると、「やった! 勝った」って思ってたのよね。

 グレてから一発目に学校に行った時の快感は今でも忘れないわ。泣きながら教室を飛び出したヮタクシが、次に学校に来たら豹変してるわけでしょう? 受験校はきちんと制服があるんだけど、ド金髪で鼻と口にピアスをして私服だったから、いざ学校に行ったら、態度がこんなにも違うのかバカどもっていうくらい変わったわ。

 当時の地元は教育委員会も困るほどいろいろな学校が荒れていて、夜中も暴走族がいる時代だったのね。だから周りも豹変したヮタクシを見て、怖いって思ったんでしょうね。手のひらを返して喋りかけてきたり、絡んだりしてきて。いじめはするくせに、自分たちが弱くなったら話しかけてくるから「ダッサ! 嫌い!」って思ってる。

家にも帰らず遊び歩く日々

 その頃には家にはもうほぼいなかったの。夜中に徘徊するのが好きで、家に帰るのは朝方。学校行く時間に寝て、夕方に起きたらまた友達の家に行くとか、数ヶ月単位で帰らないこともあったわ。