「生きる幻」として知られ、SNSを中心に人気の大物マダムタレント・アレンさん。10月末に刊行された『全てアレン様が正しいでございます』(通称「全ア本」/玄光社)には、今まで明かされなかった過去や想いが綴られており、大きな反響を呼んでいる。
中学時代に突然始まったいじめに対し、「見返したい、怖がらせたい」という気持ちがどんどん強くなり「グレた」というアレンさん。「やりたい放題」していたある日、玄関のベルが鳴り、ついに逮捕されてしまう――。
ここでは「全ア本」より一部を抜粋して、少年院でのアレンさんの体験や生活について紹介する。(全3回の3回目/最初から読む)
◆◆◆
逮捕の朝
前日の夜に「もうこういうことはやめよう」って日記に書いたのに……。朝6時くらいだったかしら、親が部屋に来て、「警察来てるよ」って言ったの。その時ヮタクシは直感的に「あ、これ多分家に帰れない」と思ったわ。本当にその通りで、その日を最後に2年半も家に帰れなかったの。
警察が親の前で訴状を読み上げるのよね。◯月◯日に何をやったかを逐一確認して、親もびっくりよ。親には当然、「これから逮捕しに行きますね」なんて通知とかないからね。ほら、親が子ども可愛さに逃がしたり匿ったりする可能性もあるから。警察はヮタクシがこの時間になら家にいるっていうのも調べているのよ。本当に恐ろしいわ。
逮捕されて留置所に行って、拘置所に行って、少年鑑別所に入って、1ヶ月で処分が決定して、少年院に約2年間いたわ。超ざっくりと説明するとこんな感じ。鑑別所には1ヶ月しかいられないみたいで、その間に鑑別されて、この子は少年院に送致すべきかどうかっていう判断が家庭裁判所で決まるの。
その時、本当に偶然なんだけど、鑑別所で当時仲良かった親友に会えたの。同じタイミングでその子も逮捕されてたんだけど、「え、やだ! こんなところで会えるなんて!」ってなるじゃない。なぜだか逮捕された悲しみより喜びが勝ったわ。
だから友達と一緒に運動の時間とかコソコソ喋ったり、小さい窓からちょっと目線で合図したり、そんな感じで過ごしていたの。