過ぎ去った時代に焦がれるあまり、その不便さすら愛してしまった者たちがいる。維持の手間など百も承知、旧車の魅力に憑かれたオーナーの素顔に迫る!

 今回は「ハチマルミーティング 2024 at FSW」の出展者から、R32スカイラインに乗る「みーた」さんをご紹介。

夫は板金塗装を手がけており、自身もずっと車関係の仕事を続けている。現在はタクシードライバーをしているという

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一家全員、クルマ漬け

 もともと旦那と出会ったきっかけが、32のスカイラインだったんですよね。当時私は2ドアの32に乗っていて、ネットである部品を探していたんです。それでたまたま、SNSで「誰か欲しい人いますか」という投稿を見かけて、直接引き取りに行ってみると、それが今の旦那だったんですよ。

 その後結婚して、上の子が生まれたタイミングで32の4ドアに乗り替えたんです。それでなぜか、下の子が生まれたときにも記念に32を買い増して……。

日産を代表する名車・R32型スカイライン。ボディカラーはサンドベージュという希少色

 結局、今では32が家に3台あって、あとは14シルビアと、スペーシアギアと、エブリイと、マスタングで、計7台ですね。旦那が板金塗装の仕事をしていることもあって、いつも相談なしに買ってきちゃうんですよ。

第一子の誕生を機に、スカイラインの2ドアから4ドアへと乗り替えた

 今の家もほとんど車のために建てたようなもので、ガレージのために土地は広めのものを選んだんですけど、肝心の家の方はかなり小さくなってしまって。そのくせ旦那の部屋にはミニカーとかがズラッと飾ってありますし、もはや「好きにしてくれたらええ」としか言えないですよ。

 ただ私自身も昔から車が好きで、ドリフトとかグリップとかドレスアップとか、ジャンルを問わずに手を出してきたので、色んな車に触れるのは楽しいんですよね。私が子どもの頃は、母親がグランドシビックに乗っていて、伯父も32に乗っていましたし、多分そういう血筋なのかもしれないですね。

きわめて貴重なNISMOステアリング。オーナーの「みーた」さんは「全財産を売ってもこれだけは取っておく」と話す

 息子と娘には車に由来する名前をつけていて、今ではもうすっかり車好きに育っています。上の息子は6歳ですけど、すでに私より詳しいくらいで、毎日のようにこれは何の車だって教えてくれるんですよ。3歳の娘はとにかくコダワリが強くて、保育園に行くのに「今日は14で行くの!」と泣いて訴えることもしょっちゅうですね。

後部座席にはチャイルドシート。4ドアなので乗降性も悪くはないようだ

 どうやら上の子は将来シルビアに乗りたくて、下の子は32に乗りたいみたいで……。ただ、最近はこういう車もどんどん高騰してますし、この子らが乗る頃には相当しんどくなっていると思うんで、「他の趣味を見つけた方がいいんじゃ……」という気持ちもありますね。

2人のお子さんは家にある車が大好き。将来はぜひ日産のFRスポーツに乗ってもらいたいところ

 とりあえず、今のところは2人とも家にある車に乗りたいと言っていますし、32と14はずっと置いとこうかなと。自分たちが隠居したら、私たちの方はZなんかの2人乗りを買うのもいいかもしれませんね。