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「私の欠損って、障害として目立たない」テレビ番組への出演がいきなり白紙になった理由

――さまざまな声が届くようになって、障害者への偏見などを強く意識するようには?

Lisa 偏見とはちょっと違う話になっちゃうんですけど、某ブランドのファッションショーにモデルとして出てくれませんかというオファーがあったんですよ。

「欠損や障害を取っ払う」ってコンセプトで、呼ばれて、お話しして、「じゃあ、お願いします」となったんですけど、「義足の方がいて、そちらのほうが障害者ってわかりやすいので起用することにしました」みたいになって。私の欠損って、障害として目立たないんですよね。

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――言い方が良くないかもしれませんが「映える障害」が求められている。

Lisa あるテレビ番組でも、そんな感じのことがあって。一回、オファーがあったんですよ。「障害者を集めたバンドをやりたいから、よかったらLisaさんも出てくれ」みたいに来たけど、出なくていいって話になって。結局、アドバイザー的な立ち位置で参加したんですけど。

 要するに、義手ピックを着けちゃうと、健常者がレザーグローブをはめてギターを弾いてるようにしか見えないんですよね。

「障害者」とカテゴライズされて見られてしまう

――「大変そうに見えないと困る」という考えがチラつくと。

Lisa そうなんです。そういうのを障害者に求めてるところが、まだあるかなって。

 あと、どうしても障害者ってはめられてしまうのも気になりますね。私のフォロワーで、同じように手のない子がいて。その子は女優を目指していて、動画を配信したりして頑張ってるんですけど、障害とかそういった感じでカテゴライズされたうえで見られてしまうんですよ。

 で、その子がたとえば会社員の役とか演じることになっても、会社員の前に「手がない」って付くんだろうなって考えてしまいますね。そんなふうに見えなくてもいいし、見せなくてもいいし。そうした配慮はしてもいいとは思いますね。

 

――今後の目標は。

Lisa 音楽面では、いまやってる「GAROCKTOKYO」っていうユニットを頑張っていきたいですね。こないだもテキサスでライブしてきたんですけど、すっごくリアクションも良くて。ファンもグッと増えたんですよ。どんどん海外でもライブをやって、大きなステージでやりたいなって。

 また、私がギターをしている「Moth in Lilac」というバンドは、新しいメンバーが加わって面白いことができそうなので、それも楽しみです。

 センシティブな面では、いま話したことですね。これからは、障害が見えやすい人ばかりを障害者として扱ったり、「障害者なんだ」ってバイアスをかけて当事者を見たりするのはやめてほしいなと。これって、私が障害者だからとか、障害者をこう扱ってほしいとか以前に、普通に礼儀の問題なんじゃないかなと思うんですよ。

写真=山元茂樹/文藝春秋