先天性四肢障害で、生まれつき右手首から先がないギタリストのLisa13(29)。
東京パラリンピックの閉会式のステージに立って注目された彼女に、欠損を気にせずに明るく過ごしていたという幼少時、中学校で教師から向けられた偏見、ギターとの出会いなどについて、話を聞いた。(全3回の1回目/2回目に続く)
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先天性四肢障害で、生まれつき右手首から先がない
――右手首から先がないのは、生まれつきですか?
Lisa13(以下、Lisa) 生まれつきです。先天性四肢障害。
――生まれる前から、先天性四肢障害であることはわかっていたのでしょうか。
Lisa 生まれる前に、エコーかなにかでわかっていた感じだったのかな。親には、そこまで深く掘り下げて聞いたことはないんですけど。でも、生まれたときに、首にへその緒が巻き付いた状態で出てきたみたいな話は聞いていて。
お腹に入ってた後半ぐらいから、へその緒が巻きついた状態だったので、それで栄養が行き届かなくて、右手が欠損したんじゃないかと言われていたところはありました。
――先天性四肢障害の原因は、そうした事例が多い?
Lisa 原因の1つではないのかな、みたいな。
――「エコーかなにかでわかっていた」とのことですが、それに対して両親が驚いたといった話は聞いていますか。
Lisa 両親は女の子がすごく欲しかったみたいなんです。で、お腹の子が女の子というのが確定している状態だったんで、「かわいい女の子が生まれてくればいいじゃん!」ぐらいの気持ちだったみたいですよ。
先天性四肢障害であることに疑問を持たずに育った
――出生時に先天性四肢障害を確認されて、病院側から両親に「今後、こうしたほうがいい」みたいな話が。
Lisa とくにそういう話も聞いてなくて。小学校の同級生で、私と同じ障害を持った子がいたんですよ。その子は、病院側から「指を伸ばす手術をしますか?」とか訊かれていたそうで、実際に手術をしていましたね。私は「指を伸ばしたい」とか考えていなかったので、このまんまでいましたけど。
――同級生は生まれてすぐに、指の手術を打診された?
Lisa じゃないです。小学校デビューしてからって感じですね。いまは言われるタイミングが変わってるかもしれないですけど。