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 小さい頃から、どこに行くにも車だったので、まともに自転車を練習する機会がなかったというのもあるんですよ。なので、友達と公園とか行く場合は、キックボードでガンガン走ってました。

――キックボードは、問題なく?

Lisa キックボードだと、わりと安心。体重をハンドルにかける感じなので、要はものを押さえるのに近いんです。あと、立ってるから、転びそうになったら足でダーンと支えちゃえばいいし。

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 自転車は片手ハンドルだとバランスが取りにくいし、ブレーキをかけるにも右手を使わないといけないし。そういうところで支障が出てきたので、挫けましたね。ちっちゃいとき、補助輪付きの自転車で練習してたけど、ちょっとダメでしたね。

 

「指を伸ばす手術」を受けなかった理由

――同級生の男の子ですが、彼は手のことは気にしていない様子でしたか。

Lisa 私とは、ちょっと違う雰囲気でしたね。やっぱり、指を伸ばす手術とか大変だったと思うし。でも、その子のお母さんがすっごく明るい方で。欠損の子を持つ親同士というか、ちょっとしたコミュニティみたいな感じで、うちのお母さんとその子のお母さんが仲良しで、いまも親交があるんですよ。

 私は、その同級生の子とは仲間って意識も特になく。普通に、クラスメートとして接してましたね。その子は、手術で実際に指が伸びてました。体のどこかから皮膚を持ってきて繋げるんでしょうけど、健常の小指くらいまでの長さになってましたね。

――Lisaさんの家では、指を伸ばす手術について話すこともなかった。

Lisa 親から「手術しよう」とか、一切言われなかったです。あと、小学生の女の子の友達が「Lisaちゃんの手って、かわいいね」って言ってくれる子ばかりだったんですよ。

 で、当時から服装も派手だったので、右手もそのビジュアルの一部として認識されていたというか。「猫ちゃんの手みたいで、かわいいね」とか、そういう見方をされてましたね。

 

中学時代は先生から「どうして、あなたは右手を隠してるの?」と…

――手のことで、腫れ物的な扱いはされなかったわけですね。たとえば、運動会などで気を使われるとか。

Lisa これも小学校の話なんですけど、運動会でチアリーディングがあったんですよ。私、かわいいとか派手なのが大好きだったから、そういうのに積極的に参加して。また、そのチアリーディングが、自分たちで振り付けとか衣装を考えてもよかったんで、めちゃくちゃ楽しくやれて。