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――Lisaさんは、幼少期に先天性四肢障害であることに疑問を持たず。

Lisa そうですね。親から手のことを言われるわけでもなく、ナチュラルに育って。でも、服を着るとか、ボタンを留めるといったときには、親には補助してもらってましたね。

 まあ、小さい子だったらみんなそうですけど、後ろのチャックを上げるとか、そういったものは母にやってもらったりしてましたね。髪の毛を結ぶのも、保育園とか小学生の頃は時間がかかってしょうがないので、母にやってもらって。もちろん、いまはなんでも自分でできますけど。

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保育園で「なんで、右手がないの?」と聞かれるのがウザったくて…

――保育園や幼稚園に入って、他の子に右手のことを言われたりは。

Lisa 入ったのが、女の子が3人しかいない保育園だったんです。男の子ばっかりだったんですけど、その子たちが女の子にすごく優しかったんですよ。だから、イジメとかもなく。でも、「なんで、右手がないの?」って、聞かれることは聞かれるんですよ。

 そう聞かれて、私は「いや、右手がないからってなんなの?」くらいの気持ちだったのを覚えていて。あと、あまりに聞かれるので幼心に「なんで、そこまで気になるの?」ってウザったく感じてたのも覚えてますね。

――幼い頃だと、「なんで、右手がないの?」と聞かれても答えようがないといいますか。

Lisa そう、答えようがないんですよ。「生まれつきだよ」って教えても、今度は「生まれつきって、なーに?」ってなるんですよ。でも、ちっちゃいとそんなことも説明できないじゃないですか。だから「生まれつきなのッ!」って、押し通すみたいな(笑)。

 

「イヤなことを言われたら言い返してやりなさい」両親の教育方針

――保育園での遊びは、どうしていましたか。

Lisa とくに、これができなかったというのはないですね。ただ、私は絵を描くことが大好きで。「お外で遊ぶ?」とか「ボール遊びする?」と聞かれても、「イヤだ、絵描く」みたいな感じの子だったので「何々ができなくて悔しい」みたいなものがなくって。

 あんまり保育園には行きたくなかったんですけど、それは手のことを聞かれるのが面倒だったのもあるし、おうちにいるほうが好きな子だったのが大きいですね。