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「義手ギタリストってアピールしなくてよくね?」と言われることも…

――障害者の方から、悩みや苦しさを相談される機会は増えましたか。

Lisa 圧倒的に増えた。ただ、それに関しては「もう、ぶん殴っちゃえばいいんだよ」みたいな感じの答えしかできないんですよ。陽キャも陽キャっていうか、私自身がこういう人間なので(笑)。

 でも、そう答える一方で「どうしたらいいだろう? ここは、こうやって接したほうがいいのかな」とも考えてしまうんですよ。健常者と障害者のはざまに置かれたような感じになるんですけど、それによって学ぶことが増えました。

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――「欠損を売りにしている」「障害があるから目立っている」といった声は。

Lisa 「べつに義手ギタリストってアピールしなくてよくね?」みたいなことを言われたことはあります。10年前に私がバンドを始めたとき、義手であることなんて自分から言ってないし、ただバンドでギター弾いてる派手な人っていう、それだけだったんですよ。

 でも、閉会式に出てから、お子さんが欠損だという方などからもインスタでDMをいっぱいいただくようになって。それまでは音楽やファッションでリアクションがあったけど、そういった面でも自分が見られるようになったんだなって意識せざるをえなくなったんですよね。

「義手ギタリスト」の意味について説明しないワケ

――「そういった面でも自分が見られるようになった」ことを、良い意味で活かしたい気持ちが。

Lisa 義手とか欠損といったワードで検索したときに、私のことがポンと上がってきたらいいなって。

 さっきも言ったけど、それで「好きなことだけやってる人がいる」とか「こうやってギターを弾けるようにしてるんだ」って、欠損やなにかしらの障害のある人に「自分もなんかやろう」みたいなきっかけにはなれるんじゃないかなって。いまは、そういう意味での義手ギタリストだっていう自覚はありますね。

 

 ただ、それを説明するのって超めんどくさいじゃないですか。長ったらしくて。説明しないから「べつに義手ギタリストってアピールしなくてよくね?」という声も上がるんだろうけど、そんなの自分から言うのイヤじゃないですか。こうして聞かれてるから、話してるだけで(笑)。