日本代表キャプテンが味わった「挫折」とは?
日本代表で主将を任されている遠藤航のキャリアにも、「挫折」が刻まれています。
彼は横浜F・マリノスのジュニア(小学生年代)やジュニアユースのセレクションに合格できなかったものの、高校進学と同時に湘南ベルマーレのユースチームに入団しています。高校3年時には2種登録選手としてJ1リーグデビューを飾り、プロ1年目から中心選手として活躍していきます。
無名の存在でプロ入りした僕からすれば、文句なしのエリートコースです。遠藤は日本代表にもアンダーカテゴリーから招集されています。
ただ、遠藤はキャリアの節目で強烈な刺激を受けています。
公式戦デビューはリーグカップで、前半で交代しています。リーグ戦デビューは2010年の川崎フロンターレ戦で、僕も出場していましたが、この試合でも前半だけで退いています。前半終了時点で僕らが3対1でリードしていましたので、湘南ベルマーレのベンチはアクションを起こすべきと判断したのかもしれません。
海外組を交えた日本代表で初先発→前半だけで交代
日本代表でも、遠藤は同じような経験をしています。
15年11月に行なわれたワールドカップ・ロシア大会アジア2次予選のカンボジア戦で、ダブルボランチの一角としてスタメンに名を連ねます。彼にとって代表5試合目で、海外組を交えたチームでは初めての先発でした。
当時22歳の彼にすれば、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督に存在をアピールする好機です。「ここで爪痕を残すぞ」という気持ちで臨んだに違いない。
この試合はアウェイゲームでしたが、日本からすれば格下の相手です。しっかりと力の差を見せつけたいところですが、前半を0対0で折り返します。
後半のピッチに、遠藤の姿はありませんでした。前半だけで交代させられてしまったのです。
現地で取材をした記者によれば、試合後の遠藤は「日本代表でボランチで使ってもらうのは久しぶりだったというのはありますけれど、今回は悔しさしか残りません」と話したそうです。そして、「プロ公式戦デビューもJリーグデビューも、前半だけで交代しています。カンボジア戦で自分らしさを発揮できなかった悔しさをしっかり持ちながら、反省して、成長して、次は結果を残せるようにやっていきます」と続けました。