1ページ目から読む
2/2ページ目

とうとうプロ野球選手になった「寺戸の今江君」

 そしてその1年後の秋には千葉ロッテにドラフト三巡目で指名され、とうとうプロ野球選手となった。

かみじょう「とうとうプロ野球選手すよ」

社員「誰が?」

ADVERTISEMENT

かみじょう「寺戸の今江君ですやん」

社員「凄いなっ」

かみじょう「頑張ってほしいですよねー」

社員「いや、お前が頑張ろか……」

 その後今江選手が日本シリーズでMVPを獲得、三塁手のゴールデン・グラブ賞、ベストナインに選ばれた年まで向日町競輪場でアルバイトしていた事はここだけの話にしときましょう。

6月1日現在で打率.317、本塁打4、打点21と好調の今江年晶

 さて、そんな今江選手は現在苦戦をしいられているイーグルス打撃陣において絶好調! 6月1日現在で打率.317、本塁打4、打点21は充分すぎる内容。規定打席にはわずかに足りていないものの打率はチームトップ、打点もペゲーロについで2位の成績である。今の成績を考えてもずっとスタメンでクリーンナップを打ってほしい気持ちはあるが、ケガが多いのとベテランという事もあり代打にまわる日も少なくない。しかしチャンスにめっぽう強く、ここまでの代打成功率は.714(7−5)と異常な数字を叩き出している。

 5月26日ホークス戦のモイネロからのホームランが好調をアピールしている。昨シーズンは開幕から行けるぞという感触があったらしいが、骨折などもあり悔しいシーズンになってしまっただけに今年にかける思いは強い。

 あの頭を下げた事がほとんどないという星野仙一さんが頭を下げてまで欲しかった男。いつもファンに感謝し、応援してくれるファンにそっと使っている手袋をプレゼントできる心優しい男。アイスクリームはちょっとええやつを軽井沢のほうから取りよせるこだわりの強い男。風呂上がりに3種類の美容液を顔に塗り込む女子力の高い男。そんな今江年晶の今シーズンの大活躍が後半戦の鍵になってくると僕は信じている。

~どうでもいい話~

 2週間くらい前の出来事、十数年連絡もなかった競輪場の社員さんから久しぶりに飯でもどや? と。

 もちろん今江年晶話で盛り上がるつもりだ。

※「文春野球コラム ペナントレース2018」実施中。コラムがおもしろいと思ったらオリジナルサイトhttp://bunshun.jp/articles/-/7551でHITボタンを押してください。

HIT!

この記事を応援したい方は上のボールをクリック。詳細はこちらから。