舞台をきっかけに役者を志し、12月14日に33歳の誕生日を迎えた俳優・高畑充希。13歳の頃に初舞台に立った彼女は、舞台と並行して朝ドラや月9といった数多の映像作品にも出演し、その存在感を確たるものにしていった。30歳で出演し、“運命”を感じたという作品とは?
ことし11月には岡田将生(35)との結婚を発表。彼女が、かつて「仕事よりプライベートの方が断然大事」と語っていた“深い理由”とは……。
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高畑充希がロンドン発の大作ミュージカル『ミス・サイゴン』のヒロイン、ベトナム人少女のキムという大役を、本国が合否を判断する厳しいオーディションを経て射止めたのは、2020年のことだった。このとき彼女は28歳。もっとも、オーディション自体はその2~3年前からの話で、結果が出るまでには時間がかかった。それでも本人にとってキムは、どれだけ時間がかかっても演じてみたい役であったらしい。
《時間を取られることへの迷いはなかったですね。同じ時間をかけて映像を3本撮れたとしても、そこで成長や新鮮な体験ができなかったとしたら、お休みしたほうがいいのかなって私は思うから。本当にここ5年くらいかな、フルスロットルで働いてきたので、仕事の大小より、そろそろ本当に自分が成長できるかとか、幸せを感じられるかどうかを大切にしたいって思ってます》(『日経エンタテインメント!』2020年5月号)
結果を待つあいだは、たとえ合格しても自分に務まるだろうかという不安も抱えつつ過ごしていたが、いざその知らせを受け、やるしかないと覚悟が決まったという(『婦人公論』2020年5月12日号)。ところが、公演はコロナ禍のため全日程が中止され、本番を迎えるには2年後の2022年まで待たねばならなかった。