高畑充希が一番大事にしていること

 ここまで紹介してきた発言などからもあきらかなように、高畑のプロとしての意識は高い。しかし意外にも、彼女が人生において最上位に置いているのは仕事ではないという。7年前に出た写真集に収録されたインタビューでは、これについて次のように語っていた。

高畑充希のインスタグラムより

「仕事よりもプライベートの方が断然大事」な理由

《家族や友達との時間とか、おいしいごはんを食べるとか、恋愛するとか、自分自身のプライベートのほうが断然大事です。もちろんお芝居は大好きですよ。お金をもらっている以上、やれることは全力で、アップアップしながらやります。でも演じるのは人間じゃないですか。だから自分自身が人間であることを楽しんでいるほうが、いろんな発想が生まれる気がするんです。それにこのお仕事は一生やるかわからないですし。息の長い女優さんになりたいとは思っているけど、たとえば結婚して子どもが生まれたら休むかもしれないし。仕事よりも、絶対に家族のほうが大事だから》(高畑充希写真集『ユメクイサバク』宝島社、2017年)

Amazon Prime Video『1122』公式Xより

 仕事以前に「自分自身が人間であることを楽しんでいる」というのは、先の「舞台に立っている時がいちばん生きている感じがする」という発言にもつながっているような気もする。

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 プロとして常に安定した演技を心がけるのは当然とはいえ、所詮は人間なのだから、いつも完璧というわけにはいかない。高畑自身、上記の「舞台に立っている時が~」の発言に続けて《舞台はその日によって、ダメな日もあれば調子いい日もあるし、伝わる日もあればそうでない日もあって、日々積み重ねていく感じが自分にも響いてくるんですよね》と語っていた(『日経エンタテインメント!』前掲号)。彼女にとって舞台が特別なのは、自分が一番人間らしくいられる場所だから、とも言えそうである。

東宝演劇部公式Xより

 来春には主演ミュージカル『ウェイトレス』の再演を控える。4年前の同作の日本初演時における高畑の演技は高く評価され、菊田一夫演劇賞も受賞した。つい先日、フジテレビ系で放送された『FNS歌謡祭』の第2夜では、その劇中歌を共演するソニンとLiLiCoとともにメドレーで披露し、改めて彼女の歌唱力が話題を呼んだ。実人生でも結婚という大舞台を迎える彼女が、劇中でどんなふうに役を“生きて”みせるのか、いまから楽しみだ。

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