三菱UFJ銀行の大阪府内の支店で副支店長を務めていた男が、6代目山口組組長と同じ「司忍」などの偽名を名乗り、顧客だった企業に繰り返し脅迫行為を働いていたことが、「週刊文春」の取材で分かった。
男は今年8月、神戸水上署に脅迫容疑で逮捕され、11月上旬には神戸地検に強要未遂罪で起訴された。12月25日に神戸地裁で初公判を迎える予定。
半沢頭取は「銀行ビジネスの根幹を揺るがすもの」
40代の女性行員(当時)が東京都内の支店の貸金庫から10億円超の顧客の資産を窃盗した問題に揺れる三菱UFJ銀行。半沢淳一頭取(59)が12月16日午後、記者会見を開き、「信頼・信用という銀行ビジネスの根幹を揺るがすものだと厳粛に受け止めており、心よりお詫びを申し上げます」などと謝罪した。
「半沢氏は自身の経営責任について、『再発防止策を具体化する中において、私自身の処分についても検討していくと思っています』などと述べるに留まった。事態を重く見た金融庁は12月16日、三菱UFJ銀行に対し、銀行法に基づく報告徴求命令を出しています」(経済部記者)
業務上知り得た情報を基に社長への誹謗中傷を
だが、三菱UFJ銀行の行員が起こした犯罪はこの事件だけではなかった。
「大阪府内の支店で副支店長だった男が、取引先だった企業の社長らをメールなどで脅したとして、今年8月、神戸水上署に脅迫容疑で逮捕されました」(捜査関係者)
この行員は京都大学出身で、入行後は法人営業中心の経歴だった。三宮支店に勤務していた2015年から2016年にかけて、社長と知り合ったという。