12月23日、妻を殺害したとして殺人の罪に問われていた元長野県議会議員の丸山大輔被告(50)に対し、長野県地方裁判所は懲役19年の判決を言い渡した。

 初公判以降、一貫して起訴内容を否定してきた丸山被告。「週刊文春電子版」では、公判中の丸山被告から編集部の記者宛に届いた手紙の内容を報じていた。以下、当時の記事を再公開する。(初出:「週刊文春電子版」12月20日配信分/年齢・肩書きは当時のまま)

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〈私は無実であり裁判の中でこれを証明してきたと思うので、無罪判決でなければおかしいということです――〉

 妻を殺害したとして起訴され、裁判で懲役20年を求刑された元長野県議会議員(自民党所属)の丸山大輔被告(50)が、小誌に手記を寄せた。裁判で無罪主張を続ける被告が、亡き妻への思いや自身の政治活動について問われ、綴った内容とは――。

丸山大輔被告

不倫相手まで出廷した“異例の裁判”

 2021年9月29日未明、長野県塩尻市の酒造会社「笑亀酒造」(現在は「和饗酒造」に商号変更)の自宅兼事務所で丸山希美さん(当時47)が殺害された事件。10月16日に裁判員裁判の初公判を迎え、夫の丸山被告は妻殺しについて一貫して無罪を主張してきた。

 社会部記者が解説する。

「被告は犯行時刻に、塩尻市の自宅から約80キロ離れた長野市内の県議会議員会館にいたとして『現場には行っていない』と主張しています。裁判は

①被告の所在・移動の状況
②殺害の動機
③現場の状況と痕跡
④事件前後の被告の言動

 と4つのテーマに分けて審理が進みました。殺害の動機に関わる審理では、被告の不倫相手まで出廷し、『事件後に被告から結婚を迫られていた』と証言するなど異例の展開で進み、11月26日に検察側が懲役20年を求刑して結審しています」

丸山被告は議員会館にいたと主張 ©︎文藝春秋

 小誌では11月26日配信の電子版オリジナル記事で、証拠提出された希美さんの「覚書」や、被告人質問での被告の様子について報じている。「覚書」は日常の苦悩などをパソコンでつづった希美さんの日記であり、たとえば2016年9月、不倫現場を目撃したとして、こう記述している。