「被害に遭ってからはドラマで女性が襲われるシーンはトラウマで見られなくなりました。仕事にも復帰できなくなった。会社にはきちんと謝罪して欲しい」
声を震わせながらそう告白するのはベンチャー投資「ジャフコグループ」に勤務していた岩田清美さん(40代、仮名)。最大手の老舗企業で一体なにが――。
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新進気鋭のベンチャーへ投資してきた“上場請負会社”
ジャフコ社は1973年に設立。日本電産(現ニデック)やソフトバンク、ZOZOなど国内を代表する企業を上場させてきた。
「ベンチャーキャピタルでは数少ない東証プライム上場企業。累計投資企業は4000社以上で累計ファンド運用額は1.2兆円を超える。最近ではタイミーやマネーフォワード、UUUMなど新進気鋭のベンチャーに投資実績があり、上場をサポートしてきた“上場請負会社”です。経産省のスタートアップチャレンジ推進補助金事業にも採択され、最近では女性起業家に特化した投資プログラムを始めている」(経済誌記者)
男性社員2人による卑劣なセクハラ
そんなジャフコ社に契約社員として岩田さんが入社したのは2018年11月。待ち受けていたのは長年ジャフコに勤務する30~40代男性社員による卑劣なセクハラ行為だった。
「入社直後から男性社員A氏からしつこく電話があり、夜中の3時に立て続けに8回かかってくることもありました。『俺は(不貞しても会社を)辞めさせられない』と不貞行為を迫られたこともあった。ほかにも頬にキスをされたり、付きまとわれたりもしました」(岩田さん)
さらにはA氏と親交があり、「パートナー」と呼ばれる投資ファンドの運用責任者であるB氏からも被害を受ける。
「2019年6月、ほかの男性もいる懇親会でB氏から『岩田さん、こいつ(同席していた男性社員)にやらせてやってよ』と言われました。立場もB氏の方が上なのでその場では流すことしかできなかった」
その3カ月後にはA氏、B氏の2名から深夜に電話がかかってきて「来ないと仕事に協力しない」と酒席に誘われたという。
そして“事件”は起こる。